文献情報
文献番号
202222036A
報告書区分
総括
研究課題名
放射線診療の発展に対応する放射線防護の基準策定のための研究
課題番号
22IA1010
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
細野 眞(近畿大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 山口 一郎(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
- 高橋 健夫(埼玉医科大学 医学部)
- 赤羽 正章(国際医療福祉大学 医学部放射線医学)
- 奥山 智緒（柴田 智緒）(滋賀県立総合病院 臨床研究センター)
- 東 達也(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子医学・医療部門 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部)
- 松原 孝祐(金沢大学 医薬保健研究域 保健学系 量子医療技術学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
3,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
本研究は令和4年度（2022年度）に、放射線診療が国民の生命と健康に大きな利益をもたらしつつ日進月歩に発展している現状において放射線診療を安全かつ有効に実施するための放射線防護の基準や指針を策定することを目的として実施した。
研究方法
医療における放射線防護について国内外のデータを収集・調査して解析し、アンケート調査や実験などを実施し、新しい放射線診療の導入、既存の放射線診療への対応に必要な基準や指針を検討した。取り組んだ課題は次の通りである。1)ルテチウム-177標識PSMA特異的リガンド（Lu-177-PSMA-617）の治験適正使用に関する検討、2)合理的な放射線防護及び医療機関への行政機関の関与のあり方に関する研究、3-1)診療用高エネルギー放射線発生装置使用室・診療用放射線照射装置使用室に併設されるエックス線装置及びCTエックス線装置（IGRT装置）の漏えい線量測定の必要性について、3-2)規則第27条第３項及び規則第28条第２項に規定する12月20日までに翌年において使用を予定する放射性同位元素の数量の届出の必要性について、4)放射線診断・IVRにおける放射線防護の基準策定、5)放射線診療の国際基準とのハーモナイゼーションに関する研究、6)アクチニウム225（225Ac）およびイットリウム90(90Y)標識抗ポドプラニン抗体放射免疫療法：悪性中皮腫等に対する新規核医学治療における安全管理に関する研究（退出基準案の作成）およびアクチニウム225（225Ac）標識薬剤におけるトレーラーハウス型RI治療施設の医学利用に関する研究、7-1)放射線診療従事者等に対する研修プログラムの作成、7-2)医療被ばく管理の実態の把握。
結果と考察
アルファ核種の核医学治療（RI内用療法）の退出基準、合理的な放射線防護及び医療機関への行政機関の関与のあり方に関する研究、放射線治療におけるIGRT装置の漏えい線量測定の必要性、ICRP勧告をはじめとする国際指針に示された医療における放射線防護の変遷や実効線量など線量の概念の整理、IVR従事者の水晶体線量の低減、などの課題について基準・指針を示し、放射線診療従事者に対する研修プログラムとコンテンツの作成・改訂を行った。
結論
医療における放射線の利用が発展し多様化する中で放射線防護の基準や指針はますます重要であることが再確認された。放射線防護の整備に向けて本研究班で放射線のさまざまの分野の専門家が連携して広い視点から取り組んだことは意義が大きいと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2023-07-04
更新日
-