食道がん化学放射線療法後局所遺残再発例に対するタラポルフィリンナトリウム(レザフィリン)及び半導体レーザー(PDレーザー)を用いた光線力学療法の多施設第Ⅰ/Ⅱ相試験

文献情報

文献番号
200918045A
報告書区分
総括
研究課題名
食道がん化学放射線療法後局所遺残再発例に対するタラポルフィリンナトリウム(レザフィリン)及び半導体レーザー(PDレーザー)を用いた光線力学療法の多施設第Ⅰ/Ⅱ相試験
課題番号
H21-臨床・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
武藤 学(京都大学)
研究分担者(所属機関)
  • 矢野 友規(国立がん研究センター東病院)
  • 西崎 朗(兵庫県立がんセンター)
  • 中村 哲也(獨協医科大学)
  • 飯石 浩康(大阪府立成人病センター)
  • 滝沢 耕平(静岡県立静岡がんセンター)
  • 石川 秀樹(京都府立医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
47,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食道がん化学放射線療法後の遺残再発に対する救済治療を新世代PDTで行い、臓器温存が期待できる根治的低侵襲救済治療法の開発を行うことである。
研究方法
わが国においては、タラポルフィンナトリウム(レザフィリン)及び半導体レーザー(PDレーザー)を用いた新世代PDTは、早期肺癌でのみ承認されており、食道癌自体や化学放射線療法後の遺残再発に対する救済治療に関しての適応はない。そのため、本研究ではレザフィリンPDTの食道における安全性とPDレーザーの推奨容量を決定する第I相試験と、その至適レーザー照射量による有効性をみるための第II相試験を行う。
結果と考察
本年度は未承認薬と未承認機器を用いた「食道がん放射線療法後局所遺残再発例に対するタラポルフィンナトリウム(レザフィリン)及び半導体レーザ(PDレーザ)を用いた光線力学療法の多施設第I/II相試験」を実施するための具体的な調整を行った。本試験の実施施設(獨協医科大学、国立がんセンター東病院、静岡県立がんセンター、大阪成人病センター、兵庫県立がんセンター、京都大学)による研究計画書の最終的なすりあわせを行った。また、本試験を実施するにあたり、レザフィリンの発売元である明治製菓株式会社とPDレーザの発売元である松下電器産業株式会社の担当者と研究実施の相談を行い、薬品・機器の情報に加え、安全性の情報を入手した。さらに、レザフィリンの調達とPDレーザおよびそれに付随するプローブなどの調達を行いすべての参加施設で実施可能な状態に整備した。食道がんに対する化学放射線療法は臓器および機能温存可能な治療法であるが、局所の遺残・再発率が高く予後の改善には救済治療が必要である。レザフィリンPDTによる救済治療の安全性と有効性が証明されれば、化学放射線療法で食道がんが残存・再発した場合でも、臓器温存のまま根治が期待できる救済治療が確立できる可能性があり、5年生存率を向上させることも期待できる。
結論
食道がん化学放射線療法後の遺残再発に対する救済治療を新世代PDTで行い、臓器温存が期待できる根治的低侵襲救済治療法の開発を行う研究組織の構築と研究実施体制を整備した。平成22年度前半には倫理審査委員回からの承認を得て、試験を開始する予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-