極細径光ファイバ圧力センサ

文献情報

文献番号
200918038A
報告書区分
総括
研究課題名
極細径光ファイバ圧力センサ
課題番号
H21-臨床研究・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
芳賀 洋一(東北大学 大学院医工学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 齋木 佳克(東北大学・大学病院心臓血管外科)
  • 戸津 健太郎(東北大学・微小電気機械システム)
  • 松永 忠雄(東北大学 大学院医工学研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
58,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
体内狭所での圧力測定を可能にする外径125μmの極細径光ファイバ圧力センサを低侵襲医療ツールに組み込みシステムとして完成させ安全性と効果の評価を行い、臨床応用と実用化を加速する。
研究方法
使用用途に関し、本年度はバルーンカテーテル、ガイドワイヤーそれぞれについて要求仕様を具体的な根拠に基づいて策定し、バルーンカテーテルとしてのパッケージング方法を検討し、血管内で用いるための最も単純なポリマー被覆センサの試作およびガイドワイヤー実装のためのパーツ試作を行った。また、センサ作製プロセス見直しと温度特性安定のための封止プロセスを行い、評価した。検出器(コンソール)に関して、実際の臨床用途に適した最適設計を行った。実際の体内の血圧と拍動を再現し評価を行うシステムを準備した。
結果と考察
カテーテルとして血管手術中に臓器への血液灌流を確保するバルーンカテーテルにおける圧測定、ガイドワイヤーとしてFFR(血流量予備比)計測、の2つを優先的に検討し、具体的な使用と実装方法を策定した。この結果に基づき、最も簡単な構造として光ファイバ圧センサ本体となるファイバ部に熱収縮チューブを被覆したものを試作した。また、ガイドワイヤー部品であるハイポチューブを新たに導入されたウオーターレーザーを用いて自作する準備を進めた。温度に影響されない安定した計測のため封止を行い、実用上問題ないことを確認した。検出器の見直しおよび再設計に関して、光源としてハロゲンランプに変えて発光ダイオードの検討を行った。さらに、実装デバイス評価のため、心拍による脈動を作ることができる拍動ポンプとポリマーチューブを接続し水を循環させるモデルを準備した。本開発試作着手以前においては医療用途以外に一般的な工業、民生用途もカバーするためのセンサ設計と検出器の設計になっていたため、そのままでは具体的な臨床用途に用いることが難しかったが、本事業初期において最適化されたセンサ及び検出部の設計試作ができ、今後の臨床応用と評価に向けた足がかりをつけることができた。
結論
使用用途に適した形状と大きさ、実装方法をそれぞれ検討し単純な物から順次試作と評価を行うとともに今後の評価に関する具体的な道筋を立てた。今後、実装と検出器の開発を、実用化が早いと思われる使用用途と手技に合わせて行い、モデル実験、動物実験を経て臨床評価を行う。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-01-04
更新日
-