顕微鏡感覚で使え、安心・安全を提供する手術用立体内視鏡システムの試作開発と臨床応用

文献情報

文献番号
200917017A
報告書区分
総括
研究課題名
顕微鏡感覚で使え、安心・安全を提供する手術用立体内視鏡システムの試作開発と臨床応用
課題番号
H21-トランス・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 清二(浜松医科大学 光量子医学研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 峯田 周幸(浜松医科大学 医学部)
  • 友田 幸一(関西医科大学 附属病院)
  • 西澤 茂(産業医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(基礎研究成果の臨床応用推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
47,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
手術用内視鏡の欠点を克服するために、本事業では補助めがねなしで立体視でき両手を自由に使える「手術用顕微鏡の感覚で使用できる新規立体内視鏡」の試作開発を行い、安全・安心な低侵襲手術に貢献することを目的として、立体内視鏡試作機の完成と前臨床試験および臨床研究を行う。さらに我々が開発してきた内視鏡手術ナビゲーターの機能を加えれば、「内視鏡ナビゲーター機能付きの新規立体内視鏡」が成果となる。これらにより安心・安全・低侵襲の外科手術を患者にもたらし入院期間は短縮され重篤な手術合併症を減らすことにより医療費の削減につながる。
研究方法
目標は平成23年3月には「新規立体内視鏡」の実用レベル試作機を完成することとし、平成21年度は:1)関西医大、産業医大、浜松医大の医学系臨床グループは、頭頚部外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科領域の手術において、どのように立体内視鏡を顕微鏡のように使用すれば良いかを想定し、立体内視鏡および新たな手術器具の具体的な医学的条件を設定した;2)浜松医科大学は医学的条件設定を統括し、永島医科器械(株)と内視鏡鏡筒開発のための検証および新規手術器具開発の共同研究を行い、手術ナビゲーターの最適化目的に、(株)アメリオ、(株)ゾディアック、パルステック工業(株)と共同開発した。
結果と考察
立体視の医学的条件として:1)太さは耳科・側頭骨手術、鼻科手術で4mmが理想的で短軸が望まれ、頭蓋底手術では7mmまで可。脳外科では、経蝶形骨洞下垂体手術は4mm、頭蓋底手術で7mmまで可と判断;2)術者と助手は頭部を中心に立つ位置が変化するため内視鏡の配置は可変性が望まれ;3)滅菌法確立、先端の洗浄機構、ズーム機能、フォーカス機能が必要とされた。浜松医大では、内視鏡鏡筒開発および周辺機器の製作の可能性検証および新規手術器具を試作、ナビゲーションソフトウェア開発において立体内視鏡で観察している画面の中心位置を術者に教える機能追加のプログラム検討に入り、立体内視鏡光軸キャリブレーション装置のプロトタイプを試作した。
結論
開発しようとしている立体内視鏡は臨床的に有用との評価を得て、医学的条件設定がなされた。平成22年度以降は、これらの医学的条件設定に基づき装置の試作および改良を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-