痛みセンターを中心とした慢性疼痛診療システムの均てん化と診療データベースの活用による医療向上を目指す研究

文献情報

文献番号
202215004A
報告書区分
総括
研究課題名
痛みセンターを中心とした慢性疼痛診療システムの均てん化と診療データベースの活用による医療向上を目指す研究
課題番号
22FG2001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
矢吹 省司(福島県立医科大学 保健科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 敏彦(札幌医科大学)
  • 伊達 久(仙台ペインクリニック)
  • 二階堂 琢也(公立大学法人福島県立医科大学医学部整形外科学講座)
  • 山口 重樹(獨協医科大学 医学部)
  • 大鳥 精司(千葉大学大学院医学研究院)
  • 稲毛 一秀(千葉大学大学院医学研究院 整形外科学)
  • 倉田 二郎(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 井関 雅子(順天堂大学医学部 麻酔科学ペインクリニック講座)
  • 松平 浩(東京大学 医学部附属病院22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
  • 小杉 志都子(慶應義塾大学 医学部麻酔学教室)
  • 北原 雅樹(横浜市立大学附属市民総合医療センター ペインクリニック内科)
  • 川口 善治(富山大学 学術研究部医学系整形外学運動器病学)
  • 中村 裕之(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 杉浦 健之(名古屋市立大学 大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学分野)
  • 牛田 享宏(愛知医科大学医学部 )
  • 青野 修一(玉川大学 工学部ソフトウェアサイエンス学科)
  • 福井 聖(滋賀医科大学 医学部)
  • 松田 陽一(大阪大学大学院医学系研究科 麻酔・集中治療医学教室)
  • 中塚 映政(なかつか整形外科クリニック)
  • 西田 圭一郎(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科人体構成学)
  • 鈴木 秀典(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 川崎 元敬(国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 疼痛医療センター)
  • 池内 昌彦(高知大学 医学部整形外科)
  • 細井 昌子(九州大学病院 心療内科)
  • 平川 奈緒美(佐賀大学 医学部附属ペインクリニック・緩和ケア科)
  • 中本 達夫(関西医科大学 医学部 麻酔科学講座、附属病院 痛みセンター)
  • 新井 健一(愛知医科大学 疼痛医学)
  • 高雄 由美子(兵庫医科大学病院 ペインクリニック部)
  • 折田 純久(千葉大学 フロンティア医工学センター)
  • 渡邉 恵介(奈良県立医科大学附属病院 ペインセンター)
  • 松香 芳三(徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 山田 恵子(順天堂大学大学院 医学研究科疼痛制御学)
  • 天谷 文昌(京都府立医科大学 大学院医学研究科)
  • 横地 歩(国立大学法人三重大学 医学部附属病院麻酔科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 慢性の痛み政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
35,320,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 慢性疼痛診療システムの均てん化のためには痛みセンターの拡充が重要であり、痛みセンターを中心に研究データを積み上げ、解析することが必要である。そのため、本研究班では、1)集学的痛みセンターの構築(新たな痛みセンターの立ち上げ、今まで出来ている痛みセンターの成績の解析と充実化、そして新たな前向き研究)、慢性疼痛診療ガイドラインの有用性の検討、2)慢性疼痛患者のデータベースの構築(登録システムの開発と継続)、そして3)国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発を行う。さらに慢性疼痛診療モデル事業全体の成果と問題点を解析し、今後の方向性を示していくことを目的とする。
研究方法
 3つの分科会を作ってそれぞれの課題に取り組んだ。

1.集学的痛みセンターの構築分科会
 新たな痛みセンターを立ち上げと既存の痛みセンターの現状とその成績の解析を行う。慢性疼痛と腸内細菌叢に関する前向き研究を行う。慢性疼痛診療ガイドラインの有用性の検討や慢性疼痛診療モデル事業の教育効果の判定が可能かどうか検討する。

2.慢性疼痛患者のデータベースの構築分科会  
 データベースの構築と登録を進める。

3.国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発分科会
 慢性疼痛総合対策の普及・啓発(総合的な痛み情報ポータルサイトのホームページ「WWW.itami-net.or.jp」)と地域の各痛みセンターの診療(検査、治療)の状況をアップデートする。患者管理用ツール、医療者・患者の教育ツールや診断・治療に役立つツールの開発を行う。
結果と考察
1.集学的痛みセンターの構築分科会 
1)痛みセンターの条件の再検討を行い、その条件を示して申請を募った。令和元年度は23施設であったが、令和4年度は37施設まで認定施設を増やすことができた(令和5年3月31日時点)。しかし、地域の偏りがあり、各県全てに一つ以上の痛みセンターを設置するという目標にはまだ達していない。
2)慢性疼痛診療モデル事業の効果判定にも使用可能なツールのプロトタイプが出来上がり、このツールを使用し、慢性疼痛診療ガイドラインの有用性の検討や教育効果の判定可能かどうか検討を進めた。ツール自体の有用性も評価するとともに、教育や連携を効果的に行うためにはどうすればよいのかを検討していきたい。
3)慢性痛と腸内細菌叢に関する前向き研究を進めるために、多施設共同研究に関して倫理委員会に申請し、承認を得ることができた。今後実際にデータ収集を進めていきたい。

2.慢性疼痛患者のデータベースの構築分科会 
1)昨年度までのレジストリのバージョン「レジストリVol.1」の構造上の問題点や課題を抽出して、「レジストリVol.2」とすることとした。
2)レジストリVol.2と痛みセンター共通問診システムを連動させるにあたって、従来の痛みセンター共通問診システム(iPad問診システム)の改良(質問票の再検討等)を行った。3)レジストリVol.2の普及啓発活動に向けて、(i)レジストリ入力マニュアルの作成、(ii)掲載する模擬症例の検討、(iii)レジストリに入力するICD-11慢性疼痛分類のコーディング研修会開催の準備を行った。今後は研修会等を開催していく。

3.国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発分科会 
1)慢性疼痛総合対策の普及・啓発(総合的な痛み情報ポータルサイトのホームページ「WWW.itami-net.or.jp」)と地域の各痛みセンターの診療(検査、治療)の状況をアップデートした。
2)患者管理用ツールのブラッシュアップと地域ネットワーク事業への普及を行うとともに、医療者・患者の教育ツールや診断・治療に役立つツールの開発を行った。
3)「慢性の痛み政策(研究班)」ホームページ、及び「慢性の痛み情報センター」ホームページの整理・更新を行なった。検索エンジン上位・閲覧数増加のため、更なる更新を行なった。
4)LINEアプリ「いたみん」(日本いたみ財団と共同開発)のフライヤー作成・配布を行い新規登録者数を増加させることができた。
 慢性痛の問題が国民に十分理解されている状況にはまだない。医療従事者に対してもまだ教育が必要だと思われる。さらなる広報・教育に努めていく必要がある。
結論
 3つの分科会で研究を進めることができた。1年目であり、データ収集のための準備の期間となってしまった。今後はデータ収集を本格的に開始したい。

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202215004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
44,150,000円
(2)補助金確定額
44,139,000円
差引額 [(1)-(2)]
11,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 10,925,258円
人件費・謝金 7,455,532円
旅費 1,838,450円
その他 15,090,249円
間接経費 8,830,000円
合計 44,139,489円

備考

備考
自己資金 489円

公開日・更新日

公開日
2024-04-11
更新日
-