国際水準の臨床研究・治験を推進する先進的運営・教育・支援体制の確立

文献情報

文献番号
200916007A
報告書区分
総括
研究課題名
国際水準の臨床研究・治験を推進する先進的運営・教育・支援体制の確立
課題番号
H21-臨研(機関)・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
末松 誠(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 戸山 芳昭(慶應義塾大学 医学部)
  • 吉村 泰典(慶應義塾大学 医学部)
  • 武林 亨(慶應義塾大学 医学部)
  • 佐藤 裕史(慶應義塾大学 医学部)
  • 日比 紀文(慶應義塾大学 医学部)
  • 北川 雄光(慶應義塾大学 医学部)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
81,282,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
慶應義塾大学医学部では臨床研究実施基盤整備事業の一環としてクリニカルリサーチセンター(CCR)を整備し,臨床研究の支援・教育および治験依頼者との協力の基礎固めを終えた.CCR機能を拡充し①国際水準の臨床研究の支援体制を確立すること,②国際共同治験の迅速円滑な遂行に必要な運営・連携体制を確立すること,の二点を研究目的とする.
研究方法
①臨床研究支援体制の拡充(data management・生物統計の充実と,支援手順の確立),②臨床研究医の資格化準備(臨床研究講習会の受講促進と受講者情報の管理),③国際共同治験対応型価格算定の開始の三点を中心に進める.平成22年度には倫理委員会・IRB委員の継続研修案や治験組入れ改善策の策定を,平成23年度には倫理委員会・IRBの国際認証の準備を予定している.研究の性質上,平成21年度の達成事項はその後も継続し,刻々発展する臨床研究・治験に即応して改善していく.
結果と考察
1)結果
①支援と教育の充実:Data manager増員,自主研究へのCRC支援,生物統計家任用,臨床研究の倫理審査の効率化を行った.海外の臨床研究機関との人事交流と合同教育体制を準備した.②臨床研究教育の充実:臨床研究講習会を定期開催し,医学部教授会でも臨床研究講習を行った.医学研究の英語発表指導の講習会を開催した.Minnesota大学医学部教授を招き学内の臨床研究関連講義と公開講座を行い,同大e-learning systemの日本語訳も完成した.③国際共同治験のための運営改善:企業の協力を得,国際水準の治験実務対応型費用算定法の雛型を完成した.病院データベースから連結可能匿名化された情報を抽出し,被験者候補を絞り込むシステムもほぼ完成した.
2)考察
 ①人材確保:業務に通暁し臨機応変に対応できる専門職の確保が臨床研究支援の成否を決する.②教育:臨床医の極端な多忙のため講習会受講が困難な場合が多く,e-learningやOJTの併用を要する. ③産学連携:企業の委託臨床研究の支援が求められているが,産学連携が容易でなかったため,企業側の躊躇も散見された. CCRには,中立的に市販後臨床試験の運営支援を進める好機と思われる.
結論
国際水準の臨床研究の支援体制と,国際共同治験の迅速円滑な遂行を行なうための学内外における連携体制の確立を目指した.支援体制の拡充はほぼ順調だが,その安定した継続的運営が次の課題である.国際共同治験の受注は未だ十分でなく,価格や運営体制の改善を要する.他方,国際水準の自主臨床研究は活発化しており,一層の実務の補助・支援が求められる

公開日・更新日

公開日
2011-11-04
更新日
-