精神・神経分野における臨床研究の推進を目指した基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
200916005A
報告書区分
総括
研究課題名
精神・神経分野における臨床研究の推進を目指した基盤整備に関する研究
課題番号
H19-臨研(機関)・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中林 哲夫(国立精神・神経センター 病院治験管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 功刀 浩(国立精神・神経センター神経研究所 疾病研究第三部)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経センター神経研究所 疾病研究第二部)
  • 村田 美穂(国立精神・神経センター病院 第二病棟部)
  • 山岸 美奈子(国立精神・神経センター病院 薬剤部)
  • 大森 崇(京都大学大学院 医学研究科社会健康医学系専攻医療統計学分野)
  • 玉浦 明美(国立精神・神経センター病院 看護部)
  • 伊藤 弘人(国立精神・神経センター精神保健研究所 社会精神保健部)
  • 山田 光彦(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
  • 米本 直裕(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
  • 小牧 宏文(国立精神・神経センター病院 小児神経科)
  • 武田 伸一(国立精神・神経センター神経研究所 遺伝子疾患治療研究部)
  • 中村 治雅(国立精神・神経センター病院 神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
54,678,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、平成20年10月に国立精神・神経センター内に設立したTMC(Translational Medical Center)の機能である、橋渡し研究、バイオリソースの維持並びに管理、先端的な診断技術の開発、臨床研究ならびに治験の実施の支援、臨床研究に関する情報の管理並びに解析、臨床研究に関する環境整備の支援、及び人材の育成等の整備及び機能の拡充である。
研究方法
TMCの機能整備として、①臨床研究コーディネート体制及び実施体制の整備、②医療情報管理解析体制の整備、そして③人材育成の体制の整備を重点的な課題とした。平成21年度においては、臨床研究コーディネート体制の整備については、コンサルテーション機能及び臨床研究の進捗状況管理を課題とした。実施体制の整備は、医師主導治験を初めとする実施に必要な体制を課題とした。医療情報管理解析体制の整備としては、生体試料レポジトリーの整備とした。人材育成は、教育プログラムの整備とした。
結果と考察
各重点項目ごとの整備状況は以下のとおりである。
①臨床研究コーディネート体制の整備
 TMC内に、医師主導治験の企画や研究計画の立案等に対応する相談窓口を設置し、コンサルテーション機能を整備した。臨床研究の倫理審査申請から進捗管理も行うオンラインシステムの開発も行った。
②実施体制の整備
 研究の信頼性担保のためにデータマネージメントを強化するために、他施設共同研究のデータマネージメントが可能であるEDC(electrical data capture)システムの導入を図った。基礎研究の成果の臨床試験への橋渡しを視野に入れた医師主導治験の体制整備を行った。
③医療情報管理解析体制の整備
 バイオマーカー探索のための研究には生体試料と臨床情報の管理が重要である。国立精神・神経センターでは既にこれまでの研究で、血液、髄液、尿、神経組織、そして筋組織等の生体試料が蓄積されており、これらの一元的管理体制の整備を引き続き行った。
④人材育成
 臨床研究のための方法論及び倫理論を習得するためのシリーズ化したセミナーを企画し開始した。
結論
国立精神・神経センター内に、臨床研究支援センターとしてのTMC(Translational Medical Center)を設立しその機能整備を行った。今後は、本邦においても欧米と共同してより早い開発相の臨床開発に参加することを視野に入れた機能整備を行っていく。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200916005B
報告書区分
総合
研究課題名
精神・神経分野における臨床研究の推進を目指した基盤整備に関する研究
課題番号
H19-臨研(機関)・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中林 哲夫(国立精神・神経センター 病院治験管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 功刀 浩(国立精神・神経センター神経研究所 疾病研究第三部)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経センター神経研究所 疾病研究第二部)
  • 村田 美穂(国立精神・神経センター病院 第二病棟部)
  • 山岸 美奈子(国立精神・神経センター病院 薬剤部)
  • 大森 崇(京都大学大学院 医学研究科社会健康医学系専攻医療統計学分野)
  • 玉浦 明美(国立精神・神経センター病院 看護部)
  • 伊藤 弘人(国立精神・神経センター精神保健研究所 社会精神保健部)
  • 山田 光彦(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
  • 米本 直裕(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
  • 小牧 宏文(国立精神・神経センター病院 小児神経科)
  • 武田 伸一(国立精神・神経センター神経研究所 遺伝子疾患治療研究部)
  • 中村 治雅(国立精神・神経センター病院 神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
精神・神経分野における治験、基礎研究から臨床応用への橋渡し研究、多施設共同における臨床研究の推進のために、その基盤整備に取り組んだ。本研究においては、平成20年10月に国立精神・神経センター内にTMC(Translational Medical Center)を設立し、その具体的機能として、①臨床研究コーディネート体制及び実施体制の整備、②医療情報管理解析体制の整備、そして③人材育成の体制の整備を行った。
研究方法
TMCを臨床研究支援センターとしての機能を充実させるために、必要な体制について検討し、各目的ごとの重点課題は以下の通りとした。臨床研究コーディネート体制の整備は、コンサルテーション機能、臨床研究の進捗状況管理、患者レジストリーの整備を課題とした。実施体制の整備は、医師主導治験を初めとする実施に必要な体制の整備とネットワーク構築を課題とした。医療情報管理解析体制の整備としては、生体試料レポジトリーの整備とした。人材育成は、教育プログラムの整備とした。
結果と考察
各重点課題ごとの整備状況は、以下のとおりである。
①臨床研究コーディネート体制の整備
 TMC内に、医師主導治験の企画や研究計画の立案等に対応する相談窓口を設置し、コンサルテーション機能を整備した。臨床研究の倫理審査申請から進捗管理も行うオンラインシステムの開発も行った。患者レジストリーについては、疾患領域単位で開発を行うこととした。
②実施体制の整備
 TMC内に、研究の信頼性担保のためにデータマネージメントを、そして生物統計家を確保し研究計画の立案及び結果の解析のための部門を整備した。複数の精神神経領域の研究機関をネットワーク化し、公表された臨床試験成績を配信し検討を行うためのメーリングリストを整備した。
③医療情報管理解析体制の整備
 バイオマーカー探索のための研究には生体試料と臨床情報の管理が重要である。国立精神・神経センターでは既にこれまでの研究で、血液、髄液、尿、神経組織、そして筋組織等の生体試料が蓄積されており、これらの一元的管理体制の整備にも着手した。
④人材育成
 臨床研究のための方法論及び倫理論を習得するためのシリーズ化したセミナーを企画し開始した。
結論
国立精神・神経センター内に、臨床研究支援センターとしてのTMC(Translational Medical Center)を設立しその機能整備を行った。今後もその機能の拡充を図る。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-12-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200916005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
精神神経領域の臨床試験は、有効性評価の困難性があること等の問題が指摘されている。平成20年10月に、国立精神・神経センター内にTMC(Translational Medical Center)を設立したが、TMCのように精神神経領域に特化した臨床研究支援センターは国内でも類を見ない。当該領域の治験を含む臨床研究の実施上の問題を検討し、対応する機能を整備することで推進が図れることは専門的・学術的観点からも成果となる。
臨床的観点からの成果
患者レジストリーを初めとして、診療情報のデータベース化に着手しており、今後は臨床試験のみならず、コホート研究や臨床上のアウトカムを検討する研究の基盤整備も実用が可能となると思われる。
ガイドライン等の開発
本研究においてガイドラインは開発を行わなかった。しかし、精神神経領域の臨床試験を計画し実施するための手引きを作成したため、推進の一助に貢献したと考える。
その他行政的観点からの成果
精神神経疾患領域は、ドラッグラグ(欧米で承認されている医薬品が本邦においては未承認であり、国民に提供されていない状態)の代表的領域であることが指摘されている。当該領域の治験を含む臨床研究を推進するための機能を整備したTMCを設立したことの意義は大きい。
その他のインパクト
平成20年1月に、公開シンポジウムとして「臨床試験セミナー」を開催した。その他、臨床試験に関するシリーズ化した基本セミナーや重要課題に関するセミナーを開催している。

発表件数

原著論文(和文)
23件
原著論文(英文等)
123件
その他論文(和文)
32件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
12件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-