間脳下垂体機能障害に関する調査研究

文献情報

文献番号
202211013A
報告書区分
総括
研究課題名
間脳下垂体機能障害に関する調査研究
課題番号
20FC1021
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
有馬 寛(国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 正信(群馬大学 大学院医学系研究科)
  • 田原 重志(日本医科大学 医学部)
  • 大月 道夫(東京女子医科大学 医学部)
  • 蔭山 和則(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 水野 晴夫(藤田医科大学 医学部)
  • 西山 充(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
  • 槙田 紀子(東京大学 医学部附属病院)
  • 高橋 裕(奈良県立医科大学 医学部)
  • 菅原 明(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 椙村 益久(藤田医科大学 医学部)
  • 井野元 智恵(東海大学 医学部 )
  • 堀川 玲子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 病院 小児内科系専門診療部)
  • 杉野 法広(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 西岡 宏(虎の門病院 間脳下垂体外科)
  • 松野 彰(学校法人 国際医療福祉大学 医学部)
  • 有安 宏之(地方独立行政法人 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院・内分泌内科)
  • 伊達木 澄人(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 山下 美保(浜松医科大学 国際化推進センター)
  • 井下 尚子(森山記念病院 病理診断科)
  • 内田 信一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 福岡 秀規(神戸大学医学部附属病院 )
  • 向井 康祐(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 高木 博史(名古屋市立大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
間脳下垂体疾患および先天性腎性尿崩症の診療に資する診断ガイドラインを作成するとともに疾患レジストリへの患者登録を進める。
研究方法
ACTH分泌異常症、GH分泌異常症(成人)、GH分泌異常症(小児)、TSH分泌異常症、PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、バソプレシン分泌異常症、偶発的下垂体腫瘍、自己免疫性視床下部下垂体炎、および先天性腎性尿崩症を担当するチームリーダーおよび分担者がそれぞれの疾患の診療ガイドラインを作成するとともに、レジストリへの患者登録を行う。
結果と考察
各疾患の診療ガイドラインを作成し、Minds事務局および外部委員の評価を受けた後に日本内分泌学会に提出した。また、各疾患のレジストリに患者登録を行った。その結果、間脳下垂体疾患および先天性腎性尿崩症の診療に資する診療ガイドラインを作成することができた。また、新たなエビデンス創出に繋がる疾患レジストリの拡充に向け、患者登録を行うことができた。
結論
間脳下垂体疾患および先天性腎性尿崩症の診療ガイドラインを作成するとともに、各疾患レジストリへの患者登録を行った。

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202211013B
報告書区分
総合
研究課題名
間脳下垂体機能障害に関する調査研究
課題番号
20FC1021
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
有馬 寛(国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 正信(群馬大学 大学院医学系研究科)
  • 田原 重志(日本医科大学 医学部)
  • 大月 道夫(東京女子医科大学 医学部教授)
  • 蔭山 和則(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 水野 晴夫(藤田医科大学 医学部)
  • 西山 充(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
  • 槙田 紀子(東京大学・医学部附属病院)
  • 高橋 裕(奈良県立医科大学 医学部)
  • 菅原 明(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 椙村 益久(藤田医科大学 医学部)
  • 井野元 智恵(東海大学 医学部)
  • 堀川 玲子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 病院 小児内科系専門診療部)
  • 杉野 法広(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院・生涯健康研究部)
  • 西岡 宏(虎の門病院・間脳下垂体外科)
  • 松野 彰(学校法人 国際医療福祉大学 医学部)
  • 有安 宏之(地方独立行政法人 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院・内分泌内科)
  • 伊達木 澄人(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 山下 美保(浜松医科大学・国際化推進センター)
  • 井下 尚子(森山記念病院・病理診断科)
  • 内田 信一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 福岡 秀規(神戸大学医学部附属病院 )
  • 向井 康祐(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 高木 博史(名古屋市立大学 大学院医学系研究科)
  • 中里 雅光(宮崎大学 医学部 )
  • 高野 幸路(北里大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
間脳下垂体疾患の診療に資する診断ガイドラインを策定するともに、新たなエビデンスを創出につながる各種疾患レジストリを構築して患者登録を行う。
研究方法
<クリニカルクエスチョン、推奨、および解説文の策定>
疾患をACTH分泌異常症・GH分泌異常症(成人)・GH分泌異常症(小児)症・TSH分泌異常症・PRL分泌異常・ゴナドトロピン分泌異常症・バソプレシン分泌異常症および腎性尿崩症・偶発的下垂体腫瘍・自己免疫性視床下部下垂体炎に分類し、それぞれの疾患を担当するチームにおいて最新の文献や諸外国の診療ガイドラインを参考にして各種疾患の診療における問題点を抽出してクリニカルクエスチョン(CQ)として設定する。そしてエビデンスを検証後に、CQに対する推奨の強さを研究者全員の投票により決定する。さらに、各疾患を担当するチームリーダーおよび分担者がそれぞれの疾患のCQに対する推奨文を作成する。
<診断と治療の手引きの改定>
2019年に発表した各種疾患の診断と治療の手引きを更新する。
<レジストリの策定および患者登録>
各種疾患のレジストリを構築し、患者登録を行う。
結果と考察
<クリニカルクエスチョン、推奨、および解説文の策定>
 間脳下垂体疾患および腎性尿崩症18疾患(ACTH分泌低下症・クッシング病・GH分泌不全症・先端巨大症・TSH分泌低下症・下垂体性TSH産生腫瘍・ゴナドトロピン分泌低下症・下垂体ゴナドトロピン産生腫瘍・中枢性尿崩症・SIADH・高プロラクチン血症・自己免疫性視床下部下垂体炎・IgG4関連下垂体炎・偶発的下垂体腫瘍・小児ゴナドトロピン分泌低下症・成長ホルモン分泌不全性低身長症・中枢性思春期早発症・先天性腎性尿崩症)において、担当チームがクリニカルクエスチョンを立案し、本研究班の班員を中心に構成される診療ガイドライン作成委員全体で十分に討議した後に、各疾患あたり1-3個のクリニカルクエスチョンを設定した。
クリニカルクエスチョンに対する推奨を決定するために、日本医学図書館協会に文献検索を依頼し、抽出された論文のシステマティックレビューを行うことで、各クリニカルクエスチョンにおける総体としてのエビデンスの質を決定した。
上記の作業によって得られた結果をもとに、エビデンス総体の評価、益と害のバランスおよび保険適応などを考慮した上で推奨の強さを決定し、各担当医員がクリニカルクエスチョンに対する推奨文の草案を作成した。診療ガイドライン作成委員全体での十分に討議した後に、推奨の強さを投票で決定し解説文を完成させた。
このクリニカルクエスチョン、推奨および解説文は、後述する診断と治療の手引き(令和4年度改訂)と合わせて「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン 2023年版」とし、外部評価委員会による外部評価および日本医療機能評価機構によるMinds準拠ガイドライン公開前評価を受けた。
<診断と治療の手引きの改定>
2019年に発表した19疾患の診断と治療の手引きについて改訂作業を行った。特に「下垂体腺腫」の病理組織名称が「下垂体神経内分泌腫瘍」と変更になったことから、今回の改定作業において「下垂体腺腫」の記載をどのように扱うかが議論となったが、最終的には「下垂体腫瘍(腺腫)」の記載に統一した。そして、外部評価委員会や患者会の意見を踏まえて一部修正した後に、日本内分泌学会に提出し、同学会の承認を待つこととなった。
<レジストリの策定および患者登録>
間脳下垂体機能障害および先天性腎性尿崩症および関連疾患において、難病プラットフォームの雛型を用いて各疾患のレジストリを策定し、京都大学医の倫理委員会の承認を得た上で、登録を開始した。
2023年3月末時点で160例の患者が登録され、疾患毎では先端巨大症 22例・クッシング病 16例・高プロラクチン血症 14例・中枢性尿崩症 26例・SIADH 2例・先天性腎性尿崩症 1例・下垂体ゴナドトロピン産生腫瘍 1例・下垂体TSH産生腫瘍 2例・下垂体前葉機能低下症 73例・偶発的下垂体腫瘍 8例・リンパ球性汎下垂体炎 1例・リンパ球性漏斗下垂体後葉炎 1例・IgG4関連下垂体炎 4例・免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体機能障害 12例・高Na血症 1例・小児ゴナドトロピン分泌低下症 2例がレジストリに登録された。
(考察)間脳下垂体疾患の診療に資するガイドラインを策定した。日本内分泌学会による承認された後にはこのガイドラインを診療の場に広く普及させる予定である。また、患者レジストリを構築し、患者登録を進めた。将来的にはこのレジストリを用いて臨床研究を行い、新たなエビデンスの抽出に繋げる。
結論
間脳下垂体疾患および腎性尿崩症の診療ガイドラインの策定・改訂を行うとともに、患者レジストリを構築して患者登録を進めた。

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202211013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
今回策定したガイドラインは、希少疾患である間脳下垂体疾患の診療に資するものである。また、構築した患者レジストリを用いて新たなエビデンスの創出につながる臨床研究を行うことが可能となった。
臨床的観点からの成果
希少疾患に関する診療エビデンスは乏しいが、今回策定したガイドラインによって、どのような根拠に基づいて現在診療が行われているのかが明らかとなった。また、世界にも類を見ない間脳下垂体疾患及び先天性腎性尿崩症のレジストリが構築された。
ガイドライン等の開発
今回策定された「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン 2023年版」は2023年5月31日に開催される日本内分泌学会理事会で承認見込みである。
その他行政的観点からの成果
今回策定された「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン 2023年版」は、指定難病の診断基準の改定の際に根拠となるものである。
その他のインパクト
研究成果は研究班のホームページでも報告している
https://kannoukasuitai.jp/disease.html
例えば中枢性尿崩症の診断基準となる解説ツールや副腎不全カードなどがこのホームページからダウンロードできる。

発表件数

原著論文(和文)
84件
原著論文(英文等)
179件
その他論文(和文)
88件
その他論文(英文等)
3件
学会発表(国内学会)
591件
学会発表(国際学会等)
47件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
4件
ホームページ作成1件、市民公開講座開催3件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Yamada T, Fukuoka H, Hosokawa Y et al
Patients with pheochromocytoma exhibit low aldosterone renin ratio-preliminary reports
BMC Endocrine Disorders  (2020)
原著論文2
Hara Y, Ando F, Oikawa D et al
LRBA is essential for urinary concentration and body water homeostasis.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America  (2022)

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
202211013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,990,000円
(2)補助金確定額
15,983,000円
差引額 [(1)-(2)]
7,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,386,980円
人件費・謝金 1,687,962円
旅費 499,421円
その他 3,719,310円
間接経費 3,690,000円
合計 15,983,673円

備考

備考
自己資金31,545円・預金利息2円が含まれています。
また、研究班残額が6,329円ございます。

公開日・更新日

公開日
2024-01-18
更新日
-