地域住民を対象とした生活習慣病予防等健康づくりの推進のための栄養・運動・休養複合型プログラム(対面・オンラインハイブリット型)の開発に向けた基盤研究

文献情報

文献番号
202209022A
報告書区分
総括
研究課題名
地域住民を対象とした生活習慣病予防等健康づくりの推進のための栄養・運動・休養複合型プログラム(対面・オンラインハイブリット型)の開発に向けた基盤研究
課題番号
21FA1006
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
山田 宏(和歌山県立医科大学 医学部整形外科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 橋爪 洋(和歌山県立医科大学 保健看護学部)
  • 吉村 典子(東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター ロコモ予防学講座)
  • 松平 浩(東京大学 医学部附属病院22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
  • 大塚 礼(国立長寿医療研究センター 老化疫学研究部)
  • 木下 かほり(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター フレイル研究部)
  • 岡 敬之(東京大学 医学部附属病院 22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
  • 陣内 裕成(日本医科大学 衛生学公衆衛生学)
  • 篠崎 智大(東京理科大学 工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
11,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康寿命の延伸に向けては身体機能の維持・向上が重要であり、個人が積極的に健康度を高める努力が求められているものの、従来の取組に関しては様々な手法が乱立するとともに、健康日本21(第二次)の目標としても取り上げられ重要な要素である栄養(適切な量と質の食事)・運動(日常における歩数の増加と運動習慣の獲得)・休養(適切な睡眠と労働時間)の三要素に関して、各要素を単独で対策することが多い状況にあった。これら三要素を適切に組み合わせた複合型の取組が有効と考えられるが、単独型の取組に比べて参加・継続のハードルが高くなる可能性があり、そうした難点をできるだけ解消するための検討が必要である。
 本研究では、地域から無作為抽出された中高年における食事・身体活動調査(大塚・木下)、自治体における栄養と運動機能調査(山田・橋爪・吉村・岡)、中高年労働者に対する健康増進プログラム開発(松平)、高齢者に対する転倒予防プログラム開発(松平・陣内)、社会実装された評価用アプリケーション開発(岡)に実績がある研究者が一丸となり、自治体や企業などのステークホルダーにて参加・継続しやすい栄養・運動・休養複合型プログラムを作成することが目的である。
研究方法
本研究では、地域から無作為抽出された中高年における食事・身体活動調査(大塚・木下)、自治体における栄養と運動機能調査(山田・橋爪・吉村・岡)、中高年労働者に対する健康増進プログラム開発(松平)、高齢者に対する転倒予防プログラム開発(松平・陣内)、社会実装された評価用アプリケーション開発(岡)に実績がある研究者が一丸となり、自治体や企業などのステークホルダーにて参加・継続しやすい栄養・運動・休養複合型プログラムを作成することが目的である。
 本年度は「これら三要素を適切に組み合わせた複合型の取組が、国民の健康増進に有効である」という観点から年代(20-29, 30-39, 40-49, 50-59, 60-)・性別(男,女)にて留意すべき項目を文献をもとに整理して、10種類の複合型プログラム(案)リーフレットを開発した。
本年度は開発したプログラムを実行することにより、生活の満足度や生活習慣に変化があるかとプログラム内容の改善点を模索するパイロット研究を実施した。 
また身体機能の維持・向上に有用な対策と考えられる複合型プログラムの提供継続させる方法の確立を目指し、働く世代を対象に、教育と運動療法をセットにしたアプリケーション(ヴァーチャル パーソナルアシスタントシステム)の有用性を非盲検のランダム化並行群間試験により評価した。
結果と考察
複合型プログラムに関して 参加者の意見に基づき、具体的な食事メニューの追加、食事量に関しての修正、スマートフォンにて実装した際の視認性を高めるレイアウト修正をおこなった。
通常指導のみを継続した参加者群(51 人:平均年齢 46.9 歳,男性 54.9%)と、通常指導に加えモバイルアプリによる教育と運動療法を併用した参加者群(48 人:平均年齢 47.9 歳、うち男性 56.3%)での比較において、モバイルアプリを併用して活用した参加者群では、12 週後の身体症状の自覚的改善 度(3.2 vs 3.8; difference between groups −0.5, 95% CI −1.1 to 0.0; p=.04)に加え、身体症状に関連した運動恐怖(−2.3 vs 0.5; difference between groups −2.8, 95% CI −5.5 to −0.1; p=.04)、さらには健康関連 QOL(EuroQoL 5 Dimensions 5 Level: 0.068 vs 0.006; difference between groups 0.061, 95% CI 0.008 to 0.114; p=.03)が統計学的に有意に改善さ れた。
結論
地域住民を対象とした栄養・運動を軸とした複合型プログラムに関する国内外の報告(観察研究、clinical trial、 meta-analysis、systematic review等)を対象としたレビューを行い、各分野で多くの実績を持つ研究者と中心となり地域住民にとって参加・継続しやすい複合型プログラム原案を作成し、ステークホルダーにて検証を行った。次年度はオンライン版の内容を確定し、ステークホルダーに導入する予定である。

公開日・更新日

公開日
2023-08-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-08-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202209022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,210,000円
(2)補助金確定額
15,210,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,071,447円
人件費・謝金 7,579,493円
旅費 819,992円
その他 2,229,068円
間接経費 3,510,000円
合計 15,210,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2023-09-28
更新日
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