身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための社会実装化研究

文献情報

文献番号
202207008A
報告書区分
総括
研究課題名
身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための社会実装化研究
課題番号
21DA1001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
永光 信一郎(福岡大学 医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 岡 明(埼玉県立小児医療センター)
  • 小枝 達也(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター こころの診療部)
  • 杉浦 至郎(あいち小児保健医療総合センター 保健センター保健室)
  • 上原 里程(国立保健医療科学院 政策技術評価研究部)
  • 小倉 加恵子(国立成育医療研究センター)
  • 阪下 和美(国立成育医療研究センター総合診療部総合診療科)
  • 岡田 あゆみ(土居 あゆみ)(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学)
  • 作田 亮一(獨協医科大学医学部 越谷病院 子どものこころ診療センター)
  • 松浦 賢長(福岡県立大学看護学部)
  • 酒井 さやか(久留米大学 小児学講座)
  • 山下 洋(九州大学病院 精神科神経科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
19,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国における成育医療の現状と課題は、少子化の進行が加速化しているにも関わらず、妊産婦のメンタルヘルスの不調、低出生体重児の割合の増加、発達障害をはじめとする育てにくさの問題、思春期やせ症や10代の自殺を含む子どものこころの問題など山積している。子どもをBiopsychosocialな存在として捉え、家庭・家族・社会・心理・地域に配慮した新しい乳幼児健診の在り方の検討も求められている。さらには成人期のメンタルヘルス疾患予防の観点からも、思春期の健康課題に向き合うシステム(思春期健診等)の構築を検討することが必要である。これらの理念は成育基本法の骨子をなすものであり、本研究班のミッションは、かかりつけ医, 母子保健分野, 家庭福祉分野の関係者が成育基本法の理念を遵守して、妊娠期から乳幼児期・学童期・思春期の子ども達の成育とその家族をbiopsychosocialの存在と捉えて切れ目なく支援していくマニュアルを作成し、パイロット研究でエビデンスを蓄積していくことである。
研究方法
令和4年度に実施した研究内容は、成育基本法基本的方針の推進するうえで、Ⅰ. 乳幼児期健診の質の向上及びアプリを活用したデータヘルス事業の導入、Ⅱ. 学童・思春期の健康課題に対する総合的支援策の検討、Ⅲ. 成育医療領域におけるbiopsychosocialアプローチの検討を行った。I. 母子保健Biopsychosocial Assessmentの開発(酒井)、ICTを活用した乳幼児健康診査データヘルス事業の開発(永光)、Biopsychosocialな視点を取り入れた個別乳幼児健診の実施(小枝)、乳幼児健康診査情報を用いた精度管理に関する研究(杉浦)、Ⅱ. 思春期保健対策に取り組んでいる地方公共団体の年次推移に関する研究(上原)、思春期保健ウェブサイトで発信するパブリックへの情報に関する研究(阪下)、学童~思春期健診の実施に向けた実態調査と取り組み(岡田、作田)、思春期課題の基本的ニーズの把握(松浦)、思春期健診の社会実装化に関する課題整理(岡)、Ⅲ. 成育医療領域におけるboipsychosocialアプローチの実践に向けた社会的処方に関する調査研究(小倉)、小児科診療における養育者のメンタルヘルスのスクリーニングとケアに関する研究(山下)を実施。
結果と考察
地方自治体における乳幼児健診の全国標準化が試みられているが、本研究班調査において股関節脱臼、視覚異常、聴覚異常等の身体診察においても検出率の地域差が確認されている。また制度管理においても追跡困難症例の存在など健診の均てん化を目指した医療技術の格差是正が求められている。要支援家庭の抽出などの個別事案へ対応から研究班が作成した「健やか健診ガイド」などの導入が期待される。現行の身体診察に重点をおいた健康診査から親子関係、家庭環境、育児環境に視点を網羅したbiopsychosocialな評価が必要である。一方、自治体DX事業が推進される中、ICT(Information and Communication Technology)を導入したアプリを用いた母子保健情報の利活用は、健診の効率化、情報活用の迅速化、要支援家庭の早期抽出に有益であることが、本研究班のパイロット研究でも明らかとなった。今後、健診医に対するデジタルリテラシーの推進が普及には必要となる。研究班で開発されアプリに搭載されたBiopsychosocial scale は乳児期、幼児期の子どもをもつ家庭の支援評価に有用であることも確認され、今後自治体で活用されることが期待される。
学童・思春期のヘルスプロモーション向上に対する試みは各自治体で積極的に試みられている。学校教育で得られた知識や情報が不十分であったことや、養護教諭からも医療との連携強化希望も調査で明らかとなった。各自治体における思春期保健対策の取組みも積極的に導入されているが、思春期の課題の改善に直結はしていない。子ども達自身が自らヘルスプロモーションに関心を持てるような枠組みが必要と思われる。研究班では2つの施策を考案している。思春期のヘルスリテラシーの向上のため思春期の健康に関して医学的に正確な情報を包括的かつ系統的に発信するパブリックサイトの制作を検討している。子ども達自身、保護者、教育関係者、医療関係者が各々アクセスできるサイトを検討中である。また、米国で21歳までかかりつけ医で実施されている思春期健診の我が国への導入を視野に実装化への課題についても調査を行った。

結論
本年度の研究班事業として、Ⅰ. 乳幼児期健診の質の向上及びアプリを活用したデータヘルス事業の導入、Ⅱ. 学童・思春期の健康課題に対する総合的支援策の検討、Ⅲ. 成育医療領域におけるbiopsychosocialアプローチの検討を行った。

公開日・更新日

公開日
2024-04-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202207008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
24,960,000円
(2)補助金確定額
24,203,000円
差引額 [(1)-(2)]
757,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,808,209円
人件費・謝金 4,474,679円
旅費 1,416,746円
その他 9,743,789円
間接経費 5,760,000円
合計 24,203,423円

備考

備考
自己資金:423円

公開日・更新日

公開日
2024-03-28
更新日
-