新薬創出を加速する症例データベースの構築・拡充/創薬ターゲット推定アルゴリズムの開発

文献情報

文献番号
202203019A
報告書区分
総括
研究課題名
新薬創出を加速する症例データベースの構築・拡充/創薬ターゲット推定アルゴリズムの開発
課題番号
22AC5001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
夏目 やよい(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 AI健康・医薬研究センター バイオインフォマティクスプロジェクト)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
441,356,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202203019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
肺がんで1,741症例の、IPFで1,503症例の臨床情報(診療情報及び患者検体のオミックスデータ)を収集した。これらデータを解析するAI手法を開発し、肺がん及びIPFで複数の新規創薬ターゲット候補を抽出した。それらの中に既存薬が存在するものが肺がん、IPFで一つずつ含まれていた。それらは各々肺がんPDXマウス及びヒト家族性IPF遺伝子導入モデル等で効果が確認された。このことにより、PRISMで構築したヒトデータ駆動型の新たな創薬ターゲット探索手法 “臨床情報×AI”の有用性が証明された。
臨床的観点からの成果
pan-negative肺がんで見出された新規治療ターゲットとなる遺伝子産物を阻害する既存薬は、肺がんPDXマウスで効果が確認されたため、臨床試験に向けた取り組みも進めている。また、IPFでも見出された新規ターゲットに対する既存薬がヒト家族性IPF遺伝子導入モデル等で効果が確認され、実際の患者さんでの効果も期待できる。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
該当なし
その他のインパクト
シンポジウムについては、第4回メディカルAI学会にて「内閣府の健康・医療分野におけるAI研究開発」と題したシンポジウム(令和4年6月10日)、令和3年度成果報告会(令和4年5月12日)及び令和4年度成果報告会(令和5年3月13日)を行った。
また、本事業成果を多くの産学の研究者に利用して頂くためオープンプラットフォーム「峰」の構築を進め、Webアプリケーション化した19個AIを搭載し、国内・国外で運用を開始した。

発表件数

原著論文(和文)
6件
原著論文(英文等)
10件
その他論文(和文)
10件
その他論文(英文等)
44件
学会発表(国内学会)
72件
学会発表(国際学会等)
12件
その他成果(特許の出願)
3件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
PRISM成果報告会

特許

特許の名称
特発性肺線維症の治療または予防剤
詳細情報
分類:
特許番号: 2023-011960
発明者名: 夏目やよい、伊藤眞里、黒田正孝水口賢司、足立淳、朝長毅、熊ノ郷淳、武田吉人、 上田修功
権利者名: 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
出願年月日: 20230325
国内外の別: 国外
特許の名称
オミックスデータとそのメタデータの格納と高速検索を可能にするデータベース形式
詳細情報
分類:
特許番号: 2023-058620
発明者名: 夏目やよい、水口賢司、石井 健
権利者名: 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
出願年月日: 20230331
国内外の別: 国内
特許の名称
抗特発性肺線維症剤
詳細情報
分類:
特許番号: 2022-170154
発明者名: 加藤明良、石崎敏理、濡木真一、平山文博、山西芳裕、澤田隆介
権利者名: 国立大学法人 大分大学、国立大学法人 九州工業大学
出願年月日: 20221024
国内外の別: 国内

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Futami Y., Takeda Y., Koba T., et al
Identification of CD14 and lipopolysaccharide-binding protein as novel biomarkers for sarcoidosis using proteomics of serum extracellular vesicles
International Immunology , 34 (6) , 327-340  (2022)
10.1093/intimm/dxac009
原著論文2
Otaki M., Hirane N., Natsume-Kitatani Y., et al
Mouse tissue glycome atlas 2022 highlights inter-organ variation in major N-glycan profiles
Scientific Reports , 12 (1) , 17804-  (2022)
10.1038/s41598-022-21758-4
原著論文3
Kawasaki T., Takeda Y., Edahiro R., Shirai Y., et al
Next-generation proteomics of serum extracellular vesicles combined with single-cell RNA sequencing identifies MACROH2A1 associated with refractory COVID-19
Inflammation and Regeneration , 42 (1) , 53-  (2022)
10.1186/s41232-022-00243-5
原著論文4
Sohrab, M. G., Duong, K. N., Masami, I., et al
BiomedCurator: Data Curation for Biomedical Literature
In Proceedings of the 2nd Conference of the Asia-Pacific Chapter of the Association for Computational Linguistics and the 12th International Joint Conference on Natural Language Processing: System Demonstrations  (2022)
原著論文5
中村恵宣, 北村英也, 小倉 髙志, 他
官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)で構築する特発性肺線維症に対する創薬標的探索プラットフォームについて
MEDCHEM NEWS , 32 (3) , 119-123  (2022)
10.14894/medchem.32.3_119
原著論文6
Hamamoto R, Takasawa K, Shinkai N, et al
Analysis of super-enhancer using machine learning and its application to medical biology
Brief Bioinform  (2023)
10.1093/bib/bbad107
原著論文7
Hamamoto R, Koyama T, Kouno N, et al
Introducing AI to the molecular tumor board: one direction toward the establishment of precision medicine using large-scale cancer clinical and biological information
Exp Hematol Oncol , 11 (1) , 82-  (2022)
10.1186/s40164-022-00333-7
原著論文8
R, Yamada M, Asada K, Komatsu M,
Application of non-negative matrix factorization in oncology: one approach for establishing precision medicine
Brief Bioinform. , 23 (4) , bbac246-  (2022)
10.1093/bib/bbac246
原著論文9
矢田竣太郎, 田中リベカ, Fei Cheng, 他
汎用的な臨床医学テキストアノテーション仕様およびガイドラインの策定: 重篤肺疾患ドメインに着目して
自然言語処理 , 29 (4) , 1165-1197  (2022)
10.5715/jnlp.29.1165
原著論文10
舌 達也, 梶原 智之, 荒瀬 由紀.
編集操作予測に基づく語彙制約付きデコーディングによるテキスト平易化の難易度制御.
自然言語処理  (2023)
原著論文11
村上夏輝, 石田真捺, 谷中瞳, 他
症例テキスト間の論理推論における病名知識補完の試み
言語処理学会 第29回年次大会 発表論文集 , 2023 , 1305-1309  (2023)
10.11517/pjsai.JSAI2021.0_4J3GS6f05
原著論文12
Iwata, M., Kosai, K., Ono, et a;
Regulome-based characterization of drug activity across the human diseasome
npj Systems Biology and Applications , 8 (44)  (2022)
10.1038/s41540-022-00255-4
原著論文13
Namba, S., Iwata, M., and Yamanishi, Y.
From drug repositioning to target repositioning: prediction of therapeutic targets using genetically perturbed transcriptomic signatures
Bioinformatics , 38 , i68-i76  (2022)
10.1093/bioinformatics/btac240
原著論文14
Niitsu T, Fukushima K, Komukai S, et al
Real-world impact of antifibrotics on prognosis in patients with progressive fibrosing interstitial lung disease. 
RMD Open , 9 (1) , e002667-  (2023)
10.1007/s12325-020-01523-7
原著論文15
夏目やよい
新薬創出を加速する人工知能の開発 -臨床情報を活用した創薬標的探索
革新的AI創薬 〜医療ビッグデータ、人工知能がもたらす創薬研究の未来像  (2022)
原著論文16
上田修功、夏目やよい
サブセット・バインディングによる患者層別化AIの開発
革新的AI創薬 〜医療ビッグデータ、人工知能がもたらす創薬研究の未来像〜  (2022)

公開日・更新日

公開日
2023-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
202203019Z