文献情報
文献番号
200905006A
報告書区分
総括
研究課題名
救急患者の搬送・受入実態と救急医療体制の評価に関する研究
課題番号
H21-特別・指定-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
横田 裕行(日本医科大学大学院 侵襲生体管理学(救急医学))
研究分担者(所属機関)
- 川渕 孝一(東京医科歯科大学大学院 )
- 杉原 茂(内閣府経済社会総合研究所)
- 坂本 哲也(帝京大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
救急患者の受入困難事案が社会的な問題になっており、これまで様々な対策を講じてきている。受入困難事案は、受け入れる救急医療機関の体制のみならず、多様な要因がある。一方、時間を要しても、結果適切な医療機関に搬送され、かつ患者の転帰を悪化させているのでなければ、救急搬送としては大きな問題ない。2009年4月、総務省消防庁と厚生労働省が協力して重症かつ搬送に時間を要したケースに関して、搬送実態と搬送後の予後等に関する調査を実施した。その結果をもとに、救急患者の受入困難事案の問題点と根幹が何であるかについて検討することを目的とした。
研究方法
患者属性、転帰、救急医療体制などの視点から分析をおこなった。具体的には救急患者の搬送・受入実態調査の結果を中心に、都道府県別、男女別、年齢階級別、時間帯別、所要時間別、転帰(生存・死亡)別、受入れから死亡までの日数別の全922ケースの事案の概要(救急隊の記録)について検討した。また、患者属性(重症/軽症、疾患、症状、年齢等)が照会回数に与える影響を、覚知時間や地域救急システムの影響を考慮しつつ検証することとした。さらに、東京都医師会の2007年(平成19年)のデータにより二次救急医療機関における診療体制に関する問題点や評価をした。
結果と考察
1.重症でも照会回数が少なくなる傾向は観測されなかった。CPAあるいは意識の悪化を伴う患者は
照会回数が少なかった。
2.搬送時間の決定要因については、照会回数の増加は覚知から収容までの時間を長くする傾向の
原因となる。特に、現着から現発までの時間に対する影響が明確である。
3.搬送時間と転帰の関係は、現着から現発までの時間が長くなると転帰は悪化する。
照会回数が少なかった。
2.搬送時間の決定要因については、照会回数の増加は覚知から収容までの時間を長くする傾向の
原因となる。特に、現着から現発までの時間に対する影響が明確である。
3.搬送時間と転帰の関係は、現着から現発までの時間が長くなると転帰は悪化する。
結論
1.照会回数が多くても通常の救急患者の発生状況と大きな差異は認められなかった。
2.重症でも照会回数が少なくなる傾向はなかった。薬物中毒は照会回数が多かった。
3.照会回数の増加は覚知から収容までの時間を長くする傾向の原因となった。
4.時間外であることが覚知から現着までの時間を短縮する効果があった。
5.現着から現発までの時間が長くなると転帰は悪化する。
6.東京都では救急告示病院の減少、とくに二次救急医療施設が減少している。中規模以下の二次
医療機関での医師確保を含めた救急医療の環境悪化と、二次救急医療における大規模病院への
集中化の一端が反映された。
2.重症でも照会回数が少なくなる傾向はなかった。薬物中毒は照会回数が多かった。
3.照会回数の増加は覚知から収容までの時間を長くする傾向の原因となった。
4.時間外であることが覚知から現着までの時間を短縮する効果があった。
5.現着から現発までの時間が長くなると転帰は悪化する。
6.東京都では救急告示病院の減少、とくに二次救急医療施設が減少している。中規模以下の二次
医療機関での医師確保を含めた救急医療の環境悪化と、二次救急医療における大規模病院への
集中化の一端が反映された。
公開日・更新日
公開日
2010-05-13
更新日
-