MDG4・5を達成するための保健システム強化に関する研究

文献情報

文献番号
200903002A
報告書区分
総括
研究課題名
MDG4・5を達成するための保健システム強化に関する研究
課題番号
H21-地球規模・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
渋谷 健司(東京大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 森 臨太郎(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
7,007,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はG8洞爺湖サミットでの提言を具現化するため、MDG4・5達成のための保健システム強化に関する実証的研究を3年間にわたり行う。我が国から保健システム強化によるMDG4・5達成への提言を行う。
研究方法
研究① 
現状を示す各種統計を整理し、周産期における死亡削減が鍵となることを明示し、途上国の地域介入の中で妊産婦死亡率・新生児死亡率を評価したRCTに関する迅速系統的レビュー。
研究② 
WHOによる世界26カ国における周産期の調査のデータ解析。
研究③ 
妊産婦と小児の健康に関する効果的な介入の質の高いレビューのため、コクラン本部にタイトル登録を行い、プロトコールを作成。
研究④
母子保健関連統計指標、保健システムパフォーマンス分析指標、利用可能な国内保健関連統計について検討。
結果と考察
研究①
1)multi-stakeholder partnershipsにおけるドナー協調への積極的参画とバイでの成果の見える厳選した案件への投資によるプレゼンスの確保。2)保健ODAシェアを10%に増加・革新的財源の議論の推進。3)共通モニタリングと評価指標の導入。4)官民双方の共同作業による透明性の高く効果的な保健戦略形成過程の確立。5)政策先進国の「良いところ取り」を行う戦略性の養成と次世代の政策リーダーの育成。
研究②
全体の帝王切開率は27.3%。妊産婦死亡・合併症インデックスは医学的適応なしも含め、すべての帝王切開それぞれにおいて上昇。
研究③
我が国でもインフラ整備によりコクランレビューを生産できる体制が整い、科学的根拠を創出することができることが示された。
研究④受療行動調査では、患者調査、医療施設調査が用いられている。過去に報告された仮説の検証と背景因子の抽出が必要。

結論
研究①
1. 選択と集中‐multi-stakeholder partnershipsにおけるドナー協調への積極的参画とバイにおける成果の見える厳選した案件への投資
2. 保健分野への資源の確保
3. アウトカム指標による評価
4. グローバルヘルス戦略会議の設立
5. 政策リーダーの育成
研究②
不必要な帝王切開により母体死亡や罹患率の上昇をアジアでも認めており、施設ケアの周産期医療の質向上に資することもMDG5達成には不可欠。
研究③
系統的レビューの基盤整備をしつつ、MDG4・5に関連した系統的レビューを完成し、学的根拠創出に寄与。
研究④
人口動態統計と共に国民健康・栄養調査、医療施設調査、患者調査、住宅統計調査、学校保健統計調査を用いることが望ましい。

公開日・更新日

公開日
2010-07-02
更新日
-