福祉・介護サービスの質向上のためのアウトカム評価拠点-実態評価から改善へのPDCAサイクルの実現

文献情報

文献番号
200901038A
報告書区分
総括
研究課題名
福祉・介護サービスの質向上のためのアウトカム評価拠点-実態評価から改善へのPDCAサイクルの実現
課題番号
H21-政策・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
田宮 菜奈子(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 ヘルスサービスリサーチ分野)
研究分担者(所属機関)
  • 宮石智(岡山大学大学院・医歯薬総合研究科)
  • 山崎健太郎(山形大学・医学部)
  • 大久保一郎(筑波大学大学院・人間総合科学研究科 )
  • 川口孝泰(筑波大学大学院・人間総合科学研究科)
  • 玉岡晃(筑波大学大学院・人間総合科学研究科)
  • 徳田克己(筑波大学大学院・人間総合科学研究科)
  • 本澤巳代子(筑波大学大学院・人文社会科学研究科 )
  • 上杉礼美(関西学院大学人間福祉学部 高齢者福祉、社会政策)
  • 高橋秀人(筑波大学大学院・人間総合科学研究科)
  • 柏木聖代(筑波大学大学院・人間総合科学研究科)
  • 加藤剛平(埼玉医科大学短期大学 理学療法学科)
  • 松澤明美(茨城キリスト教大学 看護学部 看護学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
福祉・介護サービスの質は、疾病治療が中心となる医療と異なり、高いQOLを
目指し生活を支えるサービスであることから、包括的な視点が求められる。
そこで、本研究班では、これまで蓄積した評価研究を中心に、さらに学問領域の枠をこえた様々な研究者との協力を得て多面的な評価の枠組みを提示し(目的1)、それを現場の質向上につなげる評価拠点としてのしくみを構築すること(目的2)を目指した。
研究方法
初年度は、目的1を中心に、海外の新たな情報収集の成果を加えつつ、包括的概
念枠組みの構成およびそれぞれの研究を進展させ、学術誌としての掲載を進め
た。また、目的2に向け、WEB拠点作成に向けての情報収集および素案を検討した。

結果と考察
下記のような枠組みをもとに研究を進めた
<1> 数値尺度評価
・施設ケアにおけるアウトカム評価
・介護におけるプロセス評価―特に転倒と関連して
・地域ケアにおけるアウトカム評価
・地域ケアにおけるプロセス評価
<2> Sentinel Event評価
・法医学の視点
・法学の視点
<3>質の保障のためのシステム
 ・ドイツの最新の動きから
今回、より包括的なケアの質の評価が可能になるよう、公衆衛生学、臨床医学、障害学、看護学、理学療法学、社会福祉学、法医学、法学の研究者のチームで取り組んだ。初年度は、各人の学問分野に関連して、福祉サービスの質向上に寄与しうる研究に取り組んできた。各々の成果を概念構成の下にまとめるプロセスの中で、福祉サービスの質の向上には、実に多面的な評価をする必要があることを再認識した。また、海外の情報収集の過程で、海外においても質評価への考え方は様々であることも明らかになった。
 一元的な評価尺度ではなく、多様な視点でみた評価およびその結果に基づく質の向上への具体的提言を、サービス提供業者と共有していくことが重要である。
結論
生活を支える福祉・介護サービスの質とは、決して一元的に測定・議論できるも
のではなく、多様な視点が必要である。これらを融合させ、かつ、サービス提供
者および利用者(家族も含む)との連携をはかりつつ、現場の質を高めうるアク
ションを各視点から行っていくことが重要であろう。そして、さらに、それらの
成果がわかりやすくひとつの窓口から共有できるような場の構築が有用であろう。

公開日・更新日

公開日
2010-06-04
更新日
-