文献情報
文献番号
200901018A
報告書区分
総括
研究課題名
市場性を備えた良質な高齢者住宅の供給とケアサービスの附帯のさせ方に関する研究
課題番号
H20-政策・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
井上 由起子(国立保健医療科学院 施設科学部)
研究分担者(所属機関)
- 藤井 賢一郎(日本社会事業大学 専門職大学院)
- 生田 京子(名城大学 理工学部 建築学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,906,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は,中重度者向けの施設に比べて整備の遅れが著しい高齢者住宅(本研究では高齢者専用賃貸住宅に限定して調査を行った)について,低所得者配慮(家賃補助,建設補助,既存建物転用,介護保険事業との複合化などによる利用者負担の低減等)を行いつつ,整備を促進するための課題と方策を明らかにし,そのうえで,市町村単位別の高齢者住宅需要の将来推計手法を検討することを目的としている.
研究方法
研究目的に沿って本年度実施した調査は以下の3つである.
①東京都における高齢者専用賃貸住宅の運営実態に関する研究
②居住の連続性を考慮した高齢者住宅の運営に関する研究
③市町村単位別の高齢者住宅需要の将来推計手法に関する研究
①東京都における高齢者専用賃貸住宅の運営実態に関する研究
②居住の連続性を考慮した高齢者住宅の運営に関する研究
③市町村単位別の高齢者住宅需要の将来推計手法に関する研究
結果と考察
1)居住に関わる費用は家賃+共益費+基礎サービス費で構成され,東京都における高専賃の費用負担は平均で12.0万円となっている.
2)居宅から特定への移行時期は平均で入居後17か月であったがバラつきが大きいこと,移行時の要介護度にもバラつきがあることが明らかとなった.スタッフ配置の厚い階を設け,この階に特定利用者が多い.居宅(自立),居宅(要支援・要介護),特定のバランスを一定に保つ運営マネジメントを行っていた.
3)2025年における高齢者住宅の整備量を検討する際の基礎データとして,高齢者住宅利用の対象となる可能性が高い高齢者(独居世帯・夫婦のみ世帯で要介護1以上 施設利用は減算)数を試算した結果,調査対象自治体(6自治体)で1.88%~7.69%との試算結果を得た.前年度調査結果から試算された高専賃の住宅費用をフローベースで負担可能な高齢者は,調査対象自治体で介護保険料所得段階(旧)の第5段階中央~第6段階前半以降であることが示唆された.
2)居宅から特定への移行時期は平均で入居後17か月であったがバラつきが大きいこと,移行時の要介護度にもバラつきがあることが明らかとなった.スタッフ配置の厚い階を設け,この階に特定利用者が多い.居宅(自立),居宅(要支援・要介護),特定のバランスを一定に保つ運営マネジメントを行っていた.
3)2025年における高齢者住宅の整備量を検討する際の基礎データとして,高齢者住宅利用の対象となる可能性が高い高齢者(独居世帯・夫婦のみ世帯で要介護1以上 施設利用は減算)数を試算した結果,調査対象自治体(6自治体)で1.88%~7.69%との試算結果を得た.前年度調査結果から試算された高専賃の住宅費用をフローベースで負担可能な高齢者は,調査対象自治体で介護保険料所得段階(旧)の第5段階中央~第6段階前半以降であることが示唆された.
結論
1)調査1より、フローベースでみると厚生年金モデル層にしか対応できておらず、費用負担の軽減を目指した議論と仕組みが必要である.
2)調査2より、居宅(自立),居宅(要支援・要介護),特定のバランスを一定に保つ運営マネジメントを行うことで居住の継続性を保証していることが明らかとなった.
3)調査3より,市町村単位で高齢者住宅需要が異なること,財政支援すべき高齢者住宅の割合が異なることが示唆された.
2)調査2より、居宅(自立),居宅(要支援・要介護),特定のバランスを一定に保つ運営マネジメントを行うことで居住の継続性を保証していることが明らかとなった.
3)調査3より,市町村単位で高齢者住宅需要が異なること,財政支援すべき高齢者住宅の割合が異なることが示唆された.
公開日・更新日
公開日
2010-04-02
更新日
-