グローバル社会に対応した健康危機サーベイランスシステム:情報分析・グレーディング手法の開発と評価

文献情報

文献番号
200840018A
報告書区分
総括
研究課題名
グローバル社会に対応した健康危機サーベイランスシステム:情報分析・グレーディング手法の開発と評価
課題番号
H19-健危・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
今井 博久(国立保健医療科学院 疫学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 元(国立保健医療科学院 生活環境部)
  • 谷口 清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 近藤 久禎(日本医科大学 救命救急医学講座)
  • 福田 吉治(山口大学医学部 地域医療学講座)
  • 星 佳芳(国立保健医療科学院 研究情報センター)
  • 中尾 裕之(国立保健医療科学院 疫学部)
  • 八幡 裕一郎(国立保健医療科学院 疫学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2007年6月より改正国際保健規則(IHR2005)が発効されたが、報告に関する方法、基準や様式等については示されておらず、加盟国の判断に任されている。本研究は公衆衛生上健康への虞のある事象に関する情報収集のためのサーベイランスシステムを構築し、公衆衛生上健康への虞のあるイベントを早期に発見し、早期に対策を講じるとともに、IHR2005への対応が可能になることを目的とする。
研究方法
これまでの研究、清書及びH-Crisis等で報告されている健康危機に関する報告様式を収集し、報告様式案を作成した。報告様式は協力の得られた保健所の所長、県の健康危機管理担当者及び衛生研究所の危機管理関連の担当者にヒアリングを行い、行政窓口での健康危機の探知に利用可能にすることを目的に様式の過不足や利用の可能性などについて聴取を行った。
 作成した報告様式に基づき、H-Crisisに報告されたデータベースから放射性物質関連のイベント(核燃料加工施設臨界事故)、微生物関連のイベント(腸管出血性大腸菌感染症、クリプトスポリジウム)、化学物質のイベント(松本サリン事件、和歌山カレー事件、中国産冷凍餃子事件)などを利用し、検討を行った。
結果と考察
報告様式のを行政及び医療機関用(保健所、衛生研究所及び県庁)のEvent-based Surveillance版として作成し、詳細版を医療機関及び救急用のIndicator-based Surveillance版として作成した。本研究で作成した報告様式を利用し、H-Crisisに保管されている健康危機事象に関してシミュレーションを行った。Event-based Surveillance版では微生物関連及び化学物質などのイベントでは第一報として、「下痢」、「嘔吐」、「発熱」、「神経症状」、「主観症状(頭痛、腹痛、めまい、倦怠感、脱力感など)」がよく見られ、データベースとしての情報収集として網羅できており、利用可能であると考えられた。Indicator-based Surveillance版では医療機関及び救急隊からの情報が掲載されていた事例に関して検証を行った。
結論
本研究は「感染症」、「医薬品医療機器等安全」、「医療安全」、「災害有事・重大健康危機」、「食品安全」、「飲料水安全」、「生活環境安全」の7分野に関する健康危機のグレーディングを検討し、包括的な健康危機サーベイランスのための報告様式を作成した。これらを利用し、シミュレーションを行い概ね利用可能であることがわかった。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
-

文献情報

文献番号
200840018B
報告書区分
総合
研究課題名
グローバル社会に対応した健康危機サーベイランスシステム:情報分析・グレーディング手法の開発と評価
課題番号
H19-健危・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
今井 博久(国立保健医療科学院 疫学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 元(国立保健医療科学院 生活環境部)
  • 谷口 清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 近藤 久禎(日本医科大学 救命救急医学講座)
  • 福田 吉治(山口大学医学部 地域医療学講座)
  • 星 佳芳(国立保健医療科学院 研究情報センター)
  • 中尾 裕之(国立保健医療科学院 疫学部)
  • 八幡 裕一郎(国立保健医療科学院 疫学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2007年6月より改正国際保健規則(IHR2005)が発効されたが、報告方法、報告様式、報告のための基準等についての取り決めはなく、加盟国の判断に任せられており、国際保健規則に対応するするツールを検討する必要がある。本研究は公衆衛生上健康への虞のある事象に関する情報収集のためのサーベイランスシステムを構築し、公衆衛生上健康への虞のあるイベントを早期に発見し、早期に対策を講じるとともに、IHR2005への対応が可能になることを目的とする。
研究方法
本研究で扱う分野は「原因不明健康危機」、「感染症」、「医薬品医療機器等安全」、「医療安全」、「災害有事・重大健康危機」、「食品安全」、「飲料水安全」、「生活環境安全」の8分野とし、8分野のグレーディングを過去事例より「脅威」、「深刻さ」、「量的広がり」に基づいて検討を行った。過去の研究及び報告等を収集し、報告様式を作成した。作成した報告様式に基づき、H-Crisisに報告されたデータベースから事例を利用し、シミュレーションを行った。
結果と考察
8分野全てで共通する項目は健康危機情報の入り口が「原因不明健康危機」であった。「原因不明健康危機」を除く個々の分野では起因病原体あるいは起因物質などの毒性により「脅威」、「深刻さ」及び「量的広がり」がグレーディングと関連していた。報告様式はEventが発生した際に住民が保健所、市町村などの行政機関に通報や医療機関、救急、施設などで利用するEvent-based Surveillance版と医療機関及び救急場面での利用の2種類に分けた方が現実的であるとのことであった。そこで、報告様式のEvent-based Surveillance版を保健所、衛生研究所及び県庁用として作成し、医療機関及び救急用としてIndicator-based Surveillance版を作成した。本研究で作成した報告様式を利用し、H-Crisisに保管されている微生物関連及び化学物質などのイベントでは第一報として、「下痢」、「嘔吐」、「発熱」、「神経症状」、「主観症状(頭痛、腹痛、めまい、倦怠感、脱力感など)」がよく見られ、データベースとしての情報収集として網羅でき、作成したグレーディングによって、「脅威」、「深刻さ」、「量的広がり」の面から健康危機の状況を判断することを可能にした。
結論
本研究は「健康危機のグレーディングを検討し、包括的な健康危機サーベイランスのための報告様式を作成した。これらを利用し、シミュレーションを行い概ね利用可能であることがわかった。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200840018C