改正国際保健規則への対応体制構築に関する研究

文献情報

文献番号
200840013A
報告書区分
総括
研究課題名
改正国際保健規則への対応体制構築に関する研究
課題番号
H19-テロ・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 山本 久美(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 松井 珠乃(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 森兼 啓太(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 押谷 仁(東北大学医学系研究科微生物学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 改正されたIHR2005のCore capacity requirement、特に、Annex 1AのSurveillance and Responseに関する要求事項を満たすために、諸外国の状況を調査して、日本における体制整備のための基礎資料を提供し、提言を作成する。
研究方法
 IHR2005について詳細を検討し、運用上の問題となる可能性のある条文とCore capacity requirementをもとに、厚生労働省国際課、厚生科学課、結核感染症課、検疫所業務管理室と協議して、必要な調査を計画しWHO、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアについて現地調査を行い、また日本の現状を評価した。また、実施に関するガイドラインの作成のために作業部会に参加して、種々のガイドラインの作成に関与した。
結果と考察
 カナダのNational Focal PointはPHACの中のHealth Portfolio Operations Centerで、PHACの中のEmergency Operation Centerとほぼ一体である。IHRへの対応としては、この部署にリスクアセスメントを行なうユニットが設けられ、様々な情報を分析してWHOへの報告が必要かどうか判断することになっており、IHR2005のcore capacity requirementを満たしている。
 WHOは地域レベルで種々の評価様式の準備や、予備的な調査を実施している。2008年前半までの調査において、世界各国のNational Focal Point(NFP)の位置づけや活動部署などの情報が明らかとなり、IHRに明記された権利や義務などの理解強化に関しても、国ごとに多様な対応がなされていた。また、43%の国々がIHR(2005)実施計画を策定した、と回答した。
 本邦の状況を評価すれば、IHRの実施計画書というものはなく、またほとんどの国ではIHRに併せて国内法の改正を行っているが、日本では対応できていない。
結論
 我が国が先進国あるいはWPRO地域の一つとして、IHR(2005)の導入・施行に対して、どのような体制を先進的な役割を担って行くかは内外的に非常に重要である。今後は、主要先進国から参考とすべきシステムに関する情報収集を図る一方、我が国としての独自の体制のあり方に関する情報収集および提言が必要である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
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