新型コロナウイルス感染症による他疾患を含めた医療・医学に与えた影響の解明に向けた研究-今後の新興感染症発生時の対策の観点から-

文献情報

文献番号
202119042A
報告書区分
総括
研究課題名
新型コロナウイルス感染症による他疾患を含めた医療・医学に与えた影響の解明に向けた研究-今後の新興感染症発生時の対策の観点から-
課題番号
21HA2011
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
門田 守人(一般社団法人 日本医学会連合)
研究分担者(所属機関)
  • 門脇 孝(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院)
  • 南学 正臣(東京大学大学院医学系研究科 腎臓・内分泌内科)
  • 山口 聡子(東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・生活習慣病予防講座)
  • 森 正樹(一般社団法人日本医学会連合)
  • 磯 博康(国立国際医療研究センター国際医療協力局 グローバルヘルス政策研究センター)
  • 今中 雄一(京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野)
  • 田宮 菜奈子(筑波大学医学医療系 ヘルスサービス開発研究センター)
  • 村木 功(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 飯野 正光(一般社団法人日本医学会連合)
  • 北川 雄光(慶應義塾大学医学部一般・消化器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
319,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型コロナウイルス感染症の流行により、受診・検診控えや疾病構造の変化などに影響がでており、中長期的な治療の遅れより新型コロナウイルス感染症以外の他疾患の重症度や死亡率が高くなるなどの影響が引き起こされる可能性が指摘されている。一方で、総死亡数の変化などを踏まえ、総合的に検討を進める必要性があり、新型コロナウイルス感染症による他疾患への影響について、令和2-3年度厚生労働科学研究費補助金「新型コロナウイルス感染症に対応した新しい生活様式による生活習慣の変化およびその健康影響の解明に向けた研究-生活習慣病の発症および重症化予防の観点から―(20CA2046)」の分担研究として調査し、新型コロナウイルス感染症のまん延が高頻度な都道府県において手術数減少が顕著であることや感染症流行以来、男女ともに自殺率は上昇し、特に39歳以下の若年層で上昇率が顕著であったことなどを報告した。
このように、新型コロナウイルス感染症流行は他疾患を含めた医療・医学・健康へ強く影響し、さらに短期のみならず中長期におよぶことが予想される。本研究では、これらの影響の実態を調査するとともに、その制度的要因を明らかにし、医療制度上の課題などを総合的に抽出するほか、今後発生しうる未知の感染症や医療緊急事態への即応体制強化と強靱な医療システムなどの政策立案・形成の礎とすることを目的とする。
研究方法
臨床内科、臨床外科、社会医学、基礎医学、病院経営の各分野で研究グループを組織し、新型コロナウイルス感染症流行による各医学・医療分野での影響について検討した。
結果と考察
臨床系の学会では、内科・外科・産科・救急など幅広い分野での影響を可視化し、社会医学系の学会では既存のビックデータを利活用することできわめて有用な情報を得ることができた。基礎医学系の学会では、科学立国の礎となる基礎医学に関する影響を明らかにし、また、病院経済的な観点からもあらゆるデータを駆使し、パンデミックの医療・健康への影響を調査する。これらの調査研究で得られるあらゆる情報を統合解析することにより、今後起こりうる未知の感染症発生時にも、他疾患への影響を最小限に抑え、医療崩壊を防ぎ、感染症に対応可能な医療制度を構築するための政策形成の過程等において直接・間接的に活用される情報となりえるものと考えられる。
結論
新型コロナウイルス感染症の流行により、医学・医療・健康に大きく影響していることが明らかとなった。今後、例えばがん検診の減少による生命予後への長期的な影響など、継続して調査検討していくことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2023-12-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-12-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202119042C

収支報告書

文献番号
202119042Z