ヒト幹細胞を用いた細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200838076A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒト幹細胞を用いた細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保のあり方に関する研究
課題番号
H20-医薬・指定-028
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
早川 堯夫(近畿大学 薬学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(国立成育医療センター研究所 生殖医療研究部)
  • 山中 伸弥(京都大学 物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター)
  • 小澤 敬也(自治医科大学 医学部 内科学講座 血液学部門)
  • 大和 雅之(東京女子医科大学 医学部 先端生命医科学)
  • 澤 芳樹(大阪大学大学院 医学系研究科 外科学講座 心臓血管外科)
  • 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
11,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、ヒト幹細胞の細胞・組織加工医薬品等への利用に関して、学問・技術の進歩、倫理上の重要ポイント、国際的動向等を調査・検討し、適切な安全性評価基準の作成や規制のあり方を検討することを目的とする。
研究方法
ヒト幹細胞を利用した細胞・組織加工医薬品等の実用化を促進するために必要と思われる技術、製造方法、特性解析方法、品質管理方法及び安定性評価に関する具体的留意事項、安全性及び有効性に関する各種データ並びに各種関連ガイダンス等について、調査研究するとともに、適宜実験を行い、それらを解析、整理する。また、個人の人権や情報の保護、社会的理解や認知のもとで再生医療が実施されるためにドナー、レシピエント等に対し倫理上配慮すべき点などについても検討する。さらに、ヒト幹細胞を利用した細胞・組織加工医薬品等に係る国内外の規制制度、ガイダンスや最新の情報を解析・評価してわが国における規制の枠組みなどを検討する上での参考とする。
結果と考察
本年は、以下のような研究結果を得た。①ヒト体性幹細胞、ヒトES細胞、ヒトiPS細胞を利用する細胞・組織利用製品の製造と臨床応用に関する科学技術面からみた現状と将来について、最新の研究や知見をもとに明らかにした。②「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の内容や意義について詳細な解析、検討を行うとともに、ヒト幹細胞臨床研究の審査についても考察し、今後、向かうべき方向や展望について提言した。③国内外の各種関連指針の検討を行い、ヒト幹細胞、ES細胞、iPS細胞及び由来製品に求められる品質・安全性確保のための要件・要素を抽出した。④2009年欧州医薬品庁が先端医療に関する委員会を立ち上げ、活動を開始したので、組織面、運用面等に関する情報収集を行い、わが国の制度、規制のあり方と比較し、評価・解析した。
結論
ヒト間葉系幹細胞等を中心とする体性幹細胞、iPS細胞、ES細胞などに由来する製品の臨床応用に向けて、研究、開発、確認申請、評価等を効率的、効果的、合理的に行う上で、必要と思われる技術、製造方法、特性解析方法、品質管理方法及び安定性評価に関する具体的留意事項、安全性及び有効性に関する各種データとしてどのようなものがあるかに関しては、これらの3種類の原料細胞それぞれに特化した形でまとめる方向性が打ち出された。

公開日・更新日

公開日
2010-01-08
更新日
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