院内血液製剤の適正な製造体制・順守基準に関する研究

文献情報

文献番号
200838054A
報告書区分
総括
研究課題名
院内血液製剤の適正な製造体制・順守基準に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大戸 斉(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 半田 誠(慶應義塾大学 医学部)
  • 前川 平(京都大学 医学部)
  • 脇本 信博(帝京大学 医学部)
  • 面川 進(秋田大学 医学部)
  • 田野崎 隆二(国立がんセンター 中央病院)
  • 室井 一男(自治医科大学 医学部)
  • 下平 滋隆(信州大学 医学部)
  • 米村 雄士(熊本大学 医学部)
  • 高橋 恒夫(東京大学医科学研究所)
  • 東 寛(北海道赤十字血液センター)
  • 長村(井上) 登紀子(東京大学医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,660,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療施設では、数多くの血液製剤(院内採血血液、自己血、洗浄血小板、造血幹細胞、免疫リンパ球、樹状細胞等)が製造・使用されているが、安全性や品質の保証は医療機関に任されている。
年間約50万単位(赤血球製剤総使用量の約10%)の自己血液が一般に普及している中で、細菌汚染や品質劣化(保存傷害)の危惧が指摘されている。さらに、院内採血輸血用血液製剤はほぼ野放図の状態であり、洗浄血小板や標準的治療に供する造血幹細胞などの品質保証にも統一した基準が望まれる。広く利用されている輸血製剤について、関連学会と連携を保ちながら、医療機関で実用に供する基本指針案作成を目的としている。
研究方法
造血幹細胞品質管理手順書(案)、洗浄・置換血小板の適応およびその調整の指針(案)、貯血式自己血輸血実施基準書(案)の作成
 総合アンケート調査によって明らかになった実態をふまえて、1)リスクに対応した院内血液製剤の細胞製剤としての位置づけを明確化。2)普及している自己血液、洗浄血小板と造血幹細胞製剤に関して、統一基準の必要性について、広く意見を聴取。3)洗浄血小板手順書、院内製造造血細胞処理手準書、院内採血自己血手順書策定を進めて、それぞれの原案・試案策定にまでに進捗。
結果と考察
1.貯血式自己血輸血実施基準書(案)
貯血式自己血輸血を実施の最低遵守すべき貯血式自己血輸血実施基準書(案)を作成。
2. 造血幹細胞品質管理手順書(案)
 骨髄液の採取と処理、末梢血造血細胞の採取、処理、凍結、保存管理、臍帯血保存管理を行っている施設が多く、作業の基準となるガイドライン(GL)の作成が必要と判断。細胞処理に関するWGを結成し、GL案を作成。
3. 置換血小板調製標準作業手順書
1)洗浄血小板の調製基準
 院内血液製剤の適正な調製基準に関する国際的GLに準拠した洗浄血小板の基準書を作成。対象、責任者と作業員の体制、調製に係る施設,設備・機器、調製作業、サンプル等について記載。
2)置換血小板調製標準作業手順書
M-solを用いた置換液調製法および置換血小板調製法の標準作業手順書 (SOP)と製品標準書を作成。
結論
医療機関の自主規制に資する必要不可欠な基準(施設基準、製造・品質管理手順)を提示し、血液製剤の安全性の向上、適正使用の推進を促す。
広く利用されている自己血液、造血幹細胞、洗浄血小板について、医療機関で実用に供する基本指針案(施設基準、品質管理の最低要件等)を作成。提案された作業手順書について関連学会を通じて検証し、最終案に到達予定。

公開日・更新日

公開日
2009-07-23
更新日
-