ワクチンの有用性向上のためのエビデンス及び方策に関する研究

文献情報

文献番号
200838046A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチンの有用性向上のためのエビデンス及び方策に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-032
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
神谷 齊(国立病院機構三重病院 三重病院臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 宮村達男(国立感染症研究所 )
  • 岡部信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 廣田良夫(大阪市立大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
31,290,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
この班の研究目的はわが国で使われているワクチンで使い方、効果等に問題があるもの、これから導入するワクチンの必要性、有効性を臨床例に基づいて評価し効率よい使用方法を検討し厚生行政に貢献することを目的としている。
研究方法
ヘモフィルスインフルエンザ、肺炎球菌、ロタウイルス、百日せき菌の各感染症については、それぞれの研究グループを組み、ワクチン開発、ワクチン効果について原則としてlaboratory confirmed population-based surveillance調査を実施して実態調査をするとともに対策を検討した。麻疹・風疹混合ワクチン第2,3期の予防接種率の向上についてはインターネットを利用した啓発ツールを試みた。成人肺炎球菌ワクチンの再接種の可否、新しいヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン開発について検討した。
結果と考察
細菌性髄膜炎の2008.1-2009.2月現在で起因菌は5歳未満小児人口10万人当たりHib菌6.7,肺炎球菌1.9,GBS菌1.4の順であり、依然としてHib菌が多くワクチンの導入とともにどのような効果が出るか注目される。ロタウイルス感染は初年度の重症入院下痢症例の内1,000人当たり4例程度とわかってきた。後1年継続調査しワクチンの導入の必要性を疾病負担の観点から費用対効果等を算出したい。百日咳の流行対策として百日咳ワクチンをどのようは方法でいつ投与するかについて、DTの時期にDPT0.2mL投与を中心として検討している。今年中には結果が出る予定である。成人肺炎球菌ワクチンの追加接種についても、臨床例の検討中であり方向性の確立を目指している。麻疹・風疹混合ワクチン(MR)のⅢ期、Ⅳ期の接種率向上のための啓発にインターネット楽天info- seekの利用を試みている。今年度の成果が期待される。新しいHPVすべてを中和するL2抗体の開発が成果をあげている。ヒトへの応用が課題である。
結論
Hibワクチンの発売が始まった。今後接種率の向上とともに効果が期待されるのでその成果を積極的に追及しワクチンの定期化について結論を出していきたい。肺炎球菌ワクチンも導入され得る予定のため同様に検討する。成人は効果を持続させるための23価ワクチン複数回接種について結論を出したい。ロタは今年度の研究でワクチンの必要性を明確にできる予定である。百日咳対策についても、日本の現状に合わせた対策(DPTワクチンの減量接種等)を提言する予定である。MRワクチン対策はこれが最上かどうかわからないが、若者の気持ちをとらえることができるであろうか。

公開日・更新日

公開日
2009-04-21
更新日
-