文献情報
文献番号
202125039A
報告書区分
総括
研究課題名
オンライン服薬指導の実施事例の調査と適正な実施に資する薬剤師の資質向上のための方策についての調査研究
課題番号
21KC2010
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
亀井 美和子(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 渡邊 大記(公益社団法人 日本薬剤師会)
- 恩田 光子(大阪薬科大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
9,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品医療機器等法の下に2020年(令和2年)9月からオンライン服薬指導の実施が可能となり、薬剤師にはオンライン服薬指導を適切に実施することが求められている。また、今後、ICTを活用した医療が一層進展する中で、薬剤師がICTを利活用していくことが医療の質の向上のために求められている。本研究は、薬剤師がICTを用いた服薬指導を適切に実施する方策を検討することを目的として、オンライン服薬指導の事例収集、ICTを用いた服用期間中のフォローアップのデータ分析、海外におけるオンライン服薬指導の状況調査を行った。
研究方法
事例収集は、オンライン服薬指導(時限的・特例的措置によるものを含む)の実績がある薬局へのヒアリング調査、全国から無作為抽出した薬局へのアンケート調査、及び、Webによる消費者アンケート調査を実施した。海外調査では、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアにおけるオンラインによる薬剤師業務の情報を収集した。
結果と考察
ヒアリング調査では、対面との違い、オンラインの良い点・難しい点、使用機器について、梱包・配送について、薬剤師が身に付けたほうがよいことなどの情報を得た。薬局対象アンケート調査では、最近1年間のオンライン服薬指導の実施状況、オンライン服薬指導に対する考え、服用期間中のフォローアップの実施状況、薬剤師の在宅勤務についての考え等についての回答を得た。消費者アンケート調査では、最近1年間の経験、電話・オンラインで服薬指導を受けた状況、服薬指導・配送に対する希望等についての回答を得た。ICTを用いたフォローアップのデータ分析は、株式会社カケハシの協力を得て患者フォロー用アプリケーションの利用データを解析した。これらの結果より、服薬指導及び服用期間中のフォローアップにICTを活用することが、コロナ禍での感染防止や患者の利便性向上だけでなく、薬の適正使用につながることが示唆された。一方で、ICTのリテラシーや環境が十分ではない状況下では、対面とオンラインの両者を選択できる環境が必要であるとともに、ICTを活用するために必要なスキルを薬剤師が十分身に付けておくことが重要と考えられた。
結論
オンライン服薬指導、ICTを用いたフォローアップを適切な活用は、感染防止、患者の利便性向上だけでなく、適正使用の促進につながる可能性がある。ICTのリテラシーや環境を踏まえた活用が重要である。
公開日・更新日
公開日
2022-08-25
更新日
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