小児等の特殊患者に対する医薬品の製剤改良その他有効性及び安全性の確保のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200838024A
報告書区分
総括
研究課題名
小児等の特殊患者に対する医薬品の製剤改良その他有効性及び安全性の確保のあり方に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 進(香川大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 板橋 家頭夫(昭和大学 医学部)
  • 佐地 勉(東邦大学医療センター 大森病院)
  • 中川 雅生(滋賀医科大学)
  • 網塚 貴介(青森県立中央病院)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター)
  • 尾崎 雅弘(ユーシービージャパン株式会社)
  • 秋山 裕一(協和発酵キリン株式会社)
  • 大塚 頌子(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 牧本 敦(国立がんセンター中央病院)
  • 岡田 邦之(埼玉医科大学)
  • 大浦 敏博(東北大学)
  • 本田 雅敬(都立清瀬小児病院)
  • 有阪 治(獨協医科大学)
  • 佐藤 吉壮(富士重工業健康保険組合総合太田病院)
  • 井上 壽茂(住友病院)
  • 河島 尚志(東京医科大学)
  • 石崎 優子(関西医科大学)
  • 永井 敏郎(獨協医科大学越谷病院)
  • 宮島 祐(東京医科大学)
  • 関口 進一郎(慶應義塾大学 医学部)
  • 宮川 三平(聖徳大学)
  • 村田 光範(和洋女子大学)
  • 羽鳥 文麿(国立成育医療センター)
  • 横田 俊平(横浜市立大学)
  • 高木 裕三(東京医科歯科大学)
  • 阪井 裕一(国立成育医療センター)
  • 幸田 太(国立成育医療センター)
  • 吉田 英生(千葉大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児薬物療法の置かれた現状を改善させるには、行政側のみの努力では困難であり、製薬企業、小児関係学会及び患者団体を含む一般社会の協力が必要不可欠である。現在行われている種々暫定的取り組みの中で「小児薬物療法検討会議」は、国内での使用実態、特にエビデンスで裏付けられたガイドラインに基づく統一的な使用方法による有効性・安全性の検証を行っており、それを発展させ恒久化させることを目的とする。
研究方法
各研究分担者と小児関連学会の分担研究者は、異なる項目の研究を行った。各分担研究者は、①小児における電子カルテオーダリングシステムの問題点、②小児期医薬品の承認状況と薬価算定について、③剤形変更特に錠剤の粉砕化にかんする問題点、④小児適応外医薬品使用時の有害事象の情報提供システムについて、⑤小児医薬品の諸外国の薬事制度の研究、⑥小児治験に対する企業側の意識調査をおこなった。小児関連学会分担研究者は、適応外使用医薬品に対する候補薬の選定、エビデンス研究および各種疾病ガイドラインにおける使用方法等の研究を行った。両者ともに、文献や報告書の調査研究およびアンケートによる実態調査を行った。
結果と考察
①アンケート調査において、小児における薬物オーダリングシステムは改善する余地が多かった。②小児薬価上の配慮が、小児薬物開発に必須であり、特に採算性の乏しい薬剤開発には特別な配慮が必要である。③粉砕時の薬物動態に関する情報の提供と入手は、小児薬物療法の安全性確保に必須である。④電子カルテに連動した有害情報システムの構築が必要である。⑤諸外国からの調査によって、小児だけの薬価では、インセンティブとしては不十分であり、より踏み込んだ小児治験推進策が必要である。⑥企業へのアンケート調査結果では、欧米のように企業の採算性を考慮した小児医薬品開発に関するレギュレーションの整備(インセンティブ、小児治験の相談・審査体制の充実など)が不可欠である。小児関連学会の研究は、適応外使用医薬品の企業および医師主導治験による小児用医薬品の開発および104号通知による適応拡大等に大いに貢献した。
結論
(1)小児に用いる個別医薬品の使用方法に関するガイドライン作成に関する研究、(2)小児等医薬品に関する諸外国の薬事制度に関する研究、(3)医療関係者への小児用医薬品に関する情報提供のあり方に関する研究を本邦の小児薬物療法の有効性と安全性を高めるために研究を行った。小児関連学会の研究分担者は、各分野の適応外使用医薬品についての小児用薬剤の開発、適応拡大や添付文章への反映を念頭においたエビデンス研究等を行った。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
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