検査機関の信頼性確保に関する研究

文献情報

文献番号
200837040A
報告書区分
総括
研究課題名
検査機関の信頼性確保に関する研究
課題番号
H20-食品・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山田 和彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 食品保健機能プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 永田 純一(独立行政法人国立健康・栄養研究所 食品保健機能プログラム)
  • 梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
  • 石見 佳子(独立行政法人国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
34,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新規食品成分を含む新開発食品が開発されているが、これらの製品は今後益々増加することが予想される。特定保健用食品の関与成分については、その分析法の妥当性ならびに精度管理に至るまでの複数の分析機関間における検討は少ない。分析精度を含めた分析法の妥当性と各試験機関における試験結果の信頼性の確保を行うため、利用頻度が高い機能性食品素材を用いた食品あるいは様々な成分からなる食品に焦点を当て検討を行うことを目的とした。
研究方法
多施設間における分析値のバラツキあるいは分析精度を確認するため、乳児用調製粉乳を用いた試験を行った。さらに、特定保健用食品の関与成分である大豆イソフラボンアグリコンおよび茶カテキンの分析法に関する検討を行い、様々な食品成分による影響を排除し、分析精度の向上が期待できる分析法の確立を試みた。
結果と考察
乳児用調製粉乳を用いた分析値は、全ての測定項目で許可要件の範囲で分布した。成分含量が多い分析項目は、小さなバラツキの範囲で値を得ることが可能であったが、微量成分でバラツキを認めた。測定する検体数に依存して分析精度の向上が図られることが示唆された。 茶カテキンの分析は、特異的な検出法としてEC検出-HPLC法の採用を試み、その方法を従来の2つのUV検出-HPLC法と比較した。また、茶カテキンが油脂や乳製品に添加されたときの分析に関する基礎的な検討を行った結果、EC検出-HPLC法はUV検出-HPLC法よりも特異的かつ高感度に茶カテキンの個別成分を分析することができ、固相抽出を組み合わせることで油脂や乳製品の分析にも適用できる簡便な方法であることが明らかになった。 さらに、大豆イソフラボンに関して、液状、粉末状及び固体状の「健康食品」中の大豆イソフラボンの定量分析を行い、抽出法に関する検討を行った。液状及び粉末状食品については、抽出効率も比較的良好で、CV値も低かったが、固体状食品のうち、軟カプセル型の食品では抽出効率が悪く、CV値も高値であった。これらの結果を踏まえ、軟カプセル型の食品に関しては抽出方法の検討を行った。また、アグリコン当量を求める簡便な計算式を提案した。
結論
食品成分の分析精度を含めた分析法の妥当性について検討した結果、分析条件並びに、食品形態及び食品成分による分析値に及ぼす基礎的な問題点を明確にした。

公開日・更新日

公開日
2009-04-10
更新日
-