医療現場や医療機関間等における情報利活用の環境整備に向けた医療用語の標準化に関する研究

文献情報

文献番号
202122045A
報告書区分
総括
研究課題名
医療現場や医療機関間等における情報利活用の環境整備に向けた医療用語の標準化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA1020
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
今井 健(東京大学 大学院医学系研究科 疾患生命工学センター)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 映善(国立大学法人愛媛大学 大学院医学系研究科)
  • 香川 璃奈(筑波大学医学医療系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国では、これまで医療分野の標準用語集・コードセットの策定が進められ、厚生労働省標準規格も制定されている。疾患では標準病名マスターの使用が広がっているが、薬剤でのHOT9コード、検査でのJLAC10コードについては共に2割弱程度の普及率に留まっており、十分利活用されていない。また人体部位、アレルギー、症状・所見、処置、生活機能、患者基本情報関連などの領域では、国内標準用語・コードセットが存在しておらず、診療情報の利活用上長年の課題となっていた。
そこで、本研究では健康医療情報の利活用のための標準的な医療用語集を領域ごとに整理し、医療情報の利活用の推進や次世代の規格である HL7 FHIRを用いた医療文書等への適用に向けた方法、課題を明らかにすることを目標とする。
研究方法
海外国内での標準用語集の活用実態については文献・ヒアリングにより調査を行った。領域ごとの標準用語集案の策定とHL7 FHIRを用いた医療文書への適用については、HL7 FHIR国内導入検討WGにおける議論と密接に連携し検討を行った。医療現場等での具体的な活用事例に基づいたシミュレーションについては、先行研究レビューと研究班内の議論により方式の検討を行った。
結果と考察
米国ではSNOMED-CTはmeaningful-use Stage2の達成要件として、いくつかの項目をコーディングするための用語集として、約90%の病院に実装されていることが判明した。
対して、国内では厚生労働省標準規格として定められている標準用語集(コードセット)は限定的であり、標準病名マスターは電子カルテを導入する病院では導入が進んでいるものの、医薬品HOTコードマスター、臨床検査マスターなどはまだ普及率が低い実態が明らかとなった。
標準病名マスターについては今後ICD-11日本語版との統合が大きな課題と考えられ、また、HOTコード、JLAC10コードについては未だ比較的普及率が低いが、令和4年3月に新たに4つ厚生労働省標準規格に追加されたFHIR記述仕様にて参照されていることから、これらを皮切りに普及が向上するものと考えられる。
その他の領域については、特に身体部位については、多くのFHIRリソース・プロファイルから参照され、需要が高いにも関わらずこれまで国内の標準用語集が存在してこなかった。ICD-11のX章(拡張コード) 中の身体部位用語を活用し、本年度J-ANATの基本的な枠組みが作られると共に、外保連試案、JJ1017とのマッピングも作成された。またアレルギー用語集として策定が進むJ-FAGYについては、ICD11のアレルギー用語を追加収載することとされた。処置については、FHIRではProcudureリソース定義で、国内の複数の用語セットを使用用途に応じてSlicingで選択する方式が妥当と考えられた。
医療現場等での具体的な活用事例に基づいたシミュレーションについては、MINDSライブラリを対象にガイドラインの検索利便の向上に利用するシナリオについて検討を行った。
本年度は、方式の検討まで にとどまり、このMINDSライブラリ活用エンジンの実装と検証までには至らなかったが、次年度ではこの基本実装と効果の検証を行う予定である。
結論
本年度は、(1)国内外の標準用語集の活用実態の現状調査、(2)領域ごとの標準用語集案の策定とHL7 FHIRを用いた医療文書等への適用に向けた検討、(3)医療現場等での具体的な活用事例に基づいたシミュレーションという、具体的な目標それぞれについて、(1) SNOMED-CTに関する実態調査、(2) 病名、薬剤、検査、身体部位、アレルギーを対象とした国内標準用語集のあり方とFHIR仕様での使い方、(3)診療ガイドラインの利便性の改善等に向けた医療用語集の活用をターゲットとしたシミュレーション方式の検討、を行った。海外ではSNOMED-CTを始めとした特定の用語集から領域に応じて用語のサブセットを切り出し、FHIRでのValue-Setに定めるケースが多いが、国内ではこれまで分野ごとにユースケースに応じて目的が異なる用語セットを策定していきている経緯があるため、この方式は実情に合わない。そこで、全ての領域に対して、(1) その領域の複数の既存用語セットをまとめた「統合標準用語セット」を作成する、という方針よりも、領域によっては (2)ユースケース(文書)ごとに最適な用語セットを個別に定めFHIR 国内実用・普及を重視し、後で異なる用語セットを横断的に連結する、という仕組みをとる方が適していると考えられ、その方針に従って基本的な標準用語集策定方針を定めた。

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202122045Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,730,000円
(2)補助金確定額
2,730,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 116,480円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 1,983,520円
間接経費 630,000円
合計 2,730,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
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