いわゆる健康食品の安全性に影響する要因分析とそのデータベース化・情報提供に関する研究

文献情報

文献番号
200837005A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品の安全性に影響する要因分析とそのデータベース化・情報提供に関する研究
課題番号
H18-食品・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 廣田 晃一(独立行政法人国立健康・栄養研究所情報センター)
  • 大塚 英昭(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 山田 静雄(静岡県立大学・薬学部)
  • 山田 浩(静岡県立大学・薬学部)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
  • 野末 みほ(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いわゆる健康食品(以下、健康食品)が関連した健康被害発生の未然防止・拡大防止には、健康被害を起こす要因を科学的かつ具体的に調査・解析し、その結果を適切な媒体を介して国民に効果的に提供することが重要である。そこで本研究では、健康食品の安全性に影響する要因分析、そのデータベース化・情報提供に関する調査研究を実施した。
研究方法
健康食品のヒト試験を中心としたPubMed掲載論文を自動検索・抽出できるシステムを作成した。健康食品の安全性情報の評価分類規準の作成は昨年実施したものを改良した。植物成分の単離・同定についてはイランイランノキ成分について、医薬品と健康食品との相互作用等についてはセントジョーンズワートについて検討した。メディアリテラシーについては新聞広告の情報を収集・解析した。子どもの健康食品の利用実態は就学前の子どもの保護者に対するアンケート調査により、特定保健用食品等の摂取頻度は食事調査により、それぞれ把握した。研究で得られた成果の中で、「『健康食品』の安全性・有効性情報データベース」に反映できるものは速やかに反映させた。
結果と考察
健康食品素材の学術論文をPubMedから自動検索・収集するシステムは、最新情報をデータベースに効率的に反映させる上で有効であった。健康食品の有害事象の判定法の開発は今後の検討に資するものとなった。イランイランノキの研究では新規成分の検索・同定、セントジョーンズワートの研究では健康食品の安全性を確保するための貴重な資料となった。メディアリテラシーについては、消費者向けパンフレットを作成した。食事調査を介した特定保健用食品の利用実態調査、子どものサプリメント利用に関する実態調査は、健康食品の現状と問題点とを明らかにし、今後求められる対応法を示す資料となった。本研究により、事業者に対しては安全な製品を製造・販売するための参考資料の提供、消費者に対しては安全・安心して望んでいる健康食品が利用できる環境が提供できるものと考えられる。
結論
健康食品が関連した健康被害の特徴の文献調査とデータベース化、ならびに被害に関連した実験的検討、効果的な情報提供に関する検討を実施した。健康食品情報の収集、評価、実験的検討、消費者に対する情報提供法の検討は、健康食品が関連した健康被害の未然防止と拡大防止に資する内容となった。

公開日・更新日

公開日
2009-04-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200837005B
報告書区分
総合
研究課題名
いわゆる健康食品の安全性に影響する要因分析とそのデータベース化・情報提供に関する研究
課題番号
H18-食品・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 廣田 晃一(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
  • 大塚 英昭(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 山田 静雄(静岡県立大学・薬学部)
  • 山田 浩(静岡県立大学・薬学部)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
  • 野末 みほ(独立行政法人国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いわゆる健康食品が関連した健康被害発生の未然防止・拡大防止には、健康被害を起こす要因を科学的かつ具体的に調査・解析し、その結果を適切な媒体を介して国民に効果的に提供することが重要である。そこで本研究では、健康食品の安全性に影響する要因分析、そのデータベース化・情報提供に関する調査研究を実施した。
研究方法
健康食品が関連した国内外の文献情報を網羅的に収集してデータベース化し、その情報を総合的に解析して被害発生の特徴を検討した。また、PubMed掲載論文を自動検索・抽出できるシステムを作成した。健康食品に利用されている植物素材については、含有成分の検索・同定、医薬品との相互作用に関する基礎的検討を、メディアリテラシーや健康食品に関する意識についてはアンケート調査を実施した。以上の成果は「『健康食品』の安全性・有効性情報(http://hfnet.nih.go.jp/)」に適宜反映させ広く国民に提供した。
結果と考察
学術論文をPubMedから自動検索・収集するシステムは、最新情報をデータベースに効率的に反映させる上で有効な方法と考えられた。これまでデータベースに蓄積した情報を利用して、健康食品による有害事象の特徴を調べたところ、アレルギーなどの体質に関連した事項や過剰摂取などの利用方法に関連した事項が多いことが明らかとなった。植物を原材料とした健康食品では、含有成分が原材料レベルでも明確でなく、医薬品との相互作用などの基礎的知見が不足していると考えられ、実験的検討とともに国内外の情報を継続的に蓄積することが必要と考えられた。一般人と専門職を対象とした健康食品に対する認識の差異、子どものサプリメント利用に関する調査、特定保健用食品の利用実態調査、メディアリテラシーに関する調査・解析の成果は、今後の健康食品対策に活用できるものである。また今回作成した消費者向けパンフレットは、健康食品に関する適切な知識の普及に役立つと考えられた。
結論
健康食品が関連した健康被害の特徴の文献調査とデータベース化、ならびに被害に関連した実験的検討、効果的な情報提供に関する検討を実施した。健康食品情報の収集、評価、実験的検討、消費者に対する情報提供法の検討は、健康食品が関連した健康被害の未然防止と拡大防止に資する内容となった。

公開日・更新日

公開日
2009-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200837005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
「健康食品」に関する文献情報を効率的かつ継続的にデータベース化し、ホームページを介して広く情報提供したことは、健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止につながる。また、「健康食品」に関する認識や利用実態に関する調査研究は、今後の適切な情報提供のあり方に資するものである。
臨床的観点からの成果
「健康食品」が関連した健康被害の原因究明は、現状では極めて困難であるが、今回の健康被害情報をデータベース化して被害発生要因を解析したことにより、体質や過剰摂取などの利用方法にかかわるものが健康被害の発生に深く関連することが明らかになった。この知見は、医療関係者が臨床現場で「健康食品」の利用状況を患者に質問する際の参考になる。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
作成しているデータベースは、平成21年から平成20年に実施された健康食品の安全性確保に関する検討会などにおいて参照されている。
その他のインパクト
今回拡充した「『健康食品』の安全性・有効性情報データベース」は新聞や雑誌に頻繁に紹介されており、信頼できる健康食品の情報提供サイトとして認識されている。

発表件数

原著論文(和文)
3件
原著論文(英文等)
9件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
9件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
佐藤陽子、星山佳治、小島彩子、他
薬剤師、栄養士、一般人のサプリメント利用行動と意識の実態に関する検討
臨床栄養 , 111 (5) , 675-684  (2007)
原著論文2
Yamada H, Takuma N, Daimon T, et al
Gargling with tea catechin extracts for the prevention of influenza infection in elderly nursing home residents: a prospective clinical study.
J Altern Complement Med , 12 (7) , 669-672  (2006)
原著論文3
Yamada H, Daimon T, Matsuda K et al
A randomized controlled study on the effects of gargling with tea catechin extracts on the prevention of influenza infection in healthy adults.
Jpn J Clin Pharmacol Ther , 38 (5) , 323-330  (2007)

公開日・更新日

公開日
2013-05-27
更新日
-