文献情報
文献番号
200836011A
報告書区分
総括
研究課題名
職場における電磁場環境および人体ばく露の実態と労働衛生管理の在り方に関する調査研究
課題番号
H20-労働・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
多氣 昌生(首都大学東京 理工学研究科 電気電子工学専攻)
研究分担者(所属機関)
- 山崎 健一(電力中央研究所電力技術研究所高電圧・電磁環境領域)
- 水野 幸男(名古屋工業大学大学院ながれ領域機能工学専攻)
- 城内 博(日本大学大学院理工学研究科医療・福祉工学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHOが低周波電磁場の健康影響に関するファクトシートで、公衆及び職場環境における電磁場の人体ばく露について、科学的に確立された生体影響を基礎とした、国際的なガイドラインによる防護の実施を求めたことを受け、職場における電磁場環境の実態と諸外国の動向を的確に把握し、わが国の電磁場に関する労働衛生管理の在り方を示すことを目的とする。対象は低周波磁場を中心とする。
研究方法
WHOによる国際電磁界プロジェクトや周辺でまとめられたリスク評価、職場環境における電磁場の実態を文献的に調査し、わが国で実施された、中央労働災害防止協会による「電磁場ばく露に関する調査研究」の測定結果を踏まえて比較検討する。また、諸外国における職場の電磁場に関する規制状況及び測定法への取り組みについて文献及び聞き取り調査を行う。
結果と考察
職場環境における電磁場は、ICNIRP指針の参考レベル(欧州指令のアクション値)を超える値が検出される場合がある。しかし、本来遵守すべき基本制限(欧州指令の曝露限度値)を超える事例は非常に限られていると推定される。このことは、諸外国の事例とわが国の測定報告で一貫している。
基本制限の評価方法は、標準化が進められているものの、簡易とはいえない。今後、わが国の職場環境に適合した実用的で有効な測定評価方法の開発に努める必要がある。
職場における電磁場曝露に関する欧州指令の国内法への転換の期限は2012年まで延期された。今後の方向について、利害関係者の意見では、現在引用されているICNIRP指針とは異なる、最低要求事項に適う新たな基準値を採用するか、職場の特性に応じた例外規定を設ける方向の意見が多い。
わが国の電磁場環境に関する法規制は、高周波は総務省、低周波は経済産業省が行ってきた。これらの規制は、一般公衆の安全を目的としており、職業的な電磁場曝露による労働者の保護は視野に含まれていない。厚生労働省が、この問題に一層の取り組みを行うことが望まれる。
基本制限の評価方法は、標準化が進められているものの、簡易とはいえない。今後、わが国の職場環境に適合した実用的で有効な測定評価方法の開発に努める必要がある。
職場における電磁場曝露に関する欧州指令の国内法への転換の期限は2012年まで延期された。今後の方向について、利害関係者の意見では、現在引用されているICNIRP指針とは異なる、最低要求事項に適う新たな基準値を採用するか、職場の特性に応じた例外規定を設ける方向の意見が多い。
わが国の電磁場環境に関する法規制は、高周波は総務省、低周波は経済産業省が行ってきた。これらの規制は、一般公衆の安全を目的としており、職業的な電磁場曝露による労働者の保護は視野に含まれていない。厚生労働省が、この問題に一層の取り組みを行うことが望まれる。
結論
職場環境における電磁場は、ICNIRP指針の参考レベルを超える場合があるが、基本制限を超える事例は限られる。これは、諸外国の事例とわが国の測定報告で一貫している。職場環境に適合した実用的で有効な、基本制限についての測定評価方法の開発に努める必要がある。
わが国の現在の電磁場環境に関する法規制は、一般公衆の防護を目的としており、職業的な電磁場曝露からの労働者の保護には、厚生労働省による一層の取り組みが望まれる。
わが国の現在の電磁場環境に関する法規制は、一般公衆の防護を目的としており、職業的な電磁場曝露からの労働者の保護には、厚生労働省による一層の取り組みが望まれる。
公開日・更新日
公開日
2009-06-23
更新日
-