隧道等建設工事の現行測定法の検証とアーク溶接等への新測定法の提案に関する研究

文献情報

文献番号
200836004A
報告書区分
総括
研究課題名
隧道等建設工事の現行測定法の検証とアーク溶接等への新測定法の提案に関する研究
課題番号
H19-労働・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
名古屋 俊士(早稲田大学 理工学術院創造理工学部環境資源工学科)
研究分担者(所属機関)
  • 小西淑人(社団法人日本作業環境測定協会調査研究部)
  • 村田克(財団法人労働科学研究所)
  • 中村憲司(早稲田大学理工学術院創造理工学部環境資源工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的は、現行の隧道等建設ガイドラインの有効性の確認と粉じん則の改正で新たに電動ファン付き呼吸用保護具の着用が義務づけられたが、その有効性を現場で検証する。また、作業者の曝露濃度測定の意義と測定の評価法について提言する。アーク溶接作業場でC測定及びB+測定のアーク溶接現場への適応の可能性について検証を行うと共にその評価方法を提言する。低濃度域の有機溶剤測定法として「粒状活性炭―加熱脱着―GC/FID法」を確立したが、その適用有機溶剤の確認。さらに、ニッケル化合物の測定法について検討。
研究方法
隧道等建設工事におけるガイドラインに基づいて粉じん濃度測定を実施する。改良型PDS-2を用いて電動ファン付き呼吸用保護具の有効性の検証、個人曝露濃度測定法について検討する。溶接作業場に於いて、改良型PDS-2を測定者の肩に直接固定して、作業者近傍のヒューム濃度を測定するというC測定法を考案し、さらに、伸縮棒に改良型PDS-2を固定し、より溶接作業者の呼吸領域を測定できるB+測定の有効性を検証。また、ガス溶接作業を行っている作業環境で作業時に発生するCO濃度を通達による測定とC測定を行い比較検討した。粒状ニッケルを用いてインハラブル粒子測定に必要な条件を検討。
結果と考察
隧道等建設工事での粉じん濃度測定から、現行のガイドラインの有効性が確認できた。また、電動ファン付き呼吸用保護具は、現場の粉じん濃度に関わりなく、粉じんは100%侵入しないことが明らかとなった。粉じん溶接作業現場において、現状の作業環境測定のA測定及びB測定に代わる測定法として、C測定及びB+測定の適応性と共に測定結果の評価法も含めた提案は、有効であると思われるが、引き続き検討することとした。粒状ニッケルを用いたオープンフェイス型サンプラーの面速(cm/s)とIOMサンプラーの濃度との比較実験から面速19(cm/s)が妥当と考える。
結論
隧道等建設現場における現行ガイドラインを変更する確たる理由が認められなかった。個人曝露濃度測定及びその評価については、引き続き検討することとした。溶接作業現場において、C測定及びB+測定の有効が証明できた。「粒状活性炭―加熱脱着―GC/FID法」は、21種類の有機溶剤の定量が可能となった。ニッケル化合物のインハラブル粒子を測定対象にした場合、測定は、面速で規定し、その面速は、IOMサンプラーと同じ19(cm/s)が妥当と考える。

公開日・更新日

公開日
2009-06-23
更新日
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