高齢者の在宅終末期ケアの標準化及び指針策定に向けた基礎的研究

文献情報

文献番号
200835047A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の在宅終末期ケアの標準化及び指針策定に向けた基礎的研究
課題番号
H20-医療・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻 発達・加齢医学講座老年科学)
研究分担者(所属機関)
  • 植村和正(名古屋大学医学部附属総合医学教育センター)
  • 平川仁尚(名古屋大学医学部附属総合医学教育センター)
  • 安藤詳子(名古屋大学医学部保健学科)
  • 飯島 節(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 小坂陽一(東北大学病院老年科)
  • 近藤克則(日本福祉大学社会福祉学部)
  • 樋口京子(大阪市立大学看護学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院以外の場所での看取りが増加していくと予想される。特に、在宅での看取りを希望する高齢者が多いため、在宅における高齢者終末期ケアは注目されている。本研究は、医療・看護・福祉分野の研究者が協働して実施し、根拠に基づく多職種参加型包括的在宅終末期ケア指針の立案に向けた基盤データの構築を行うことを主目的としている。
研究方法
高齢者総合機能評価に対応した在宅終末期支援システムの開発、介護老人保健施設からの在宅復帰を支援するクリニカルパスの作成、高齢者の症状アセスメントツールの開発、在宅における人工栄養療法・輸液に関する研究、在宅における事前の意思表示に関する研究、家族への心理的ケアに関するガイドライン策定に関する調査など多くの調査・研究を班員が分担して取り組んできた。
結果と考察
 主な結果について述べる。高齢者総合機能評価は高齢者の全人的評価には欠かせない評価法であるが、それに対応した介入法がないことが問題となっていた。また、新たに終末期ケアマネジメント・ツールの開発も福祉の視点から行った。今回の取り組みは、在宅終末期を支援する標準的介入法確立の基礎資料となるであろう。また、高齢者ケアに関わる専門職の教育用資材となることも期待できる。
 在宅復帰支援パスにより、複雑で分かりにくい退所支援の工程を職員全員にビジュアル化できたと考える。ビジュアル化により、多職種協働が円滑に行われ、支援作業が標準化されると期待できる。これにより、安心して終末期を過ごせる高齢者の増加が期待される。
 また、リビングウィル啓発パンフレットの作成により、国民に広く自分の死について考えるきっかけを提供できるものと考える。今後は、このパンフレットを改良し、外来など様々な場所での使用を考えている。

結論
医療・看護・福祉分野の研究者が協働して実施し、根拠に基づく多職種参加型包括的在宅終末期ケア指針の立案に向けた基盤データの構築を行うことを主目的として、多くの調査・研究を班員が分担して取り組んできた。病院および高齢者介護施設における退院・退所支援マネジメントシステムなど在宅終末期ケアを充実されるためのシステムの開発を中心に調査・研究を続行中である。

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
-