文献情報
文献番号
200835020A
報告書区分
総括
研究課題名
医療・福祉分野の安全性向上を目指した電子タグ応用の包括的研究
課題番号
H18-医療・一般-025
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 克幸(秋田大学医学部附属病院 医療情報部)
研究分担者(所属機関)
- 稲田 紘(兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)
- 武田 裕(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学講座)
- 保坂 良資(湘南工科大学工学部情報工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療・福祉分野では各種の事故防止対策が急務であり,人間の注意力に頼るだけでなくIT活用による支援も求められている.そうした中,電子タグの活用はその技術的特性から安全管理上の有効性が大いに期待される.本研究はその技術を医療福祉分野の安全性向上に応用すべく包括的な研究を行い,今後の利用可能性の追求と,技術的課題の抽出を目的として実施した.
研究方法
本年度の研究では,過去2年間の成果に加えて,実運用における電子タグの有効性の客観的評価として,26ヶ月間のログから年齢層別,経験月別の業務効率評価を多角的に行なったほか,医療機器管理システムを改良し,実際の医療機関で利用の上,評価してもらった.さらに,転倒・転落をシミュレーションし,加速度センサー付アクティブタグが同インシデントの検出に有用か検証した.さらに,周囲環境の影響調査として,電球型蛍光ランプがタグに与える影響を測定した.
結果と考察
電子タグはいずれの評価軸においてもバーコードよりも優位で,年齢層や経験月数によらず安定的に機能する事が示された.また,注射認証以外にも,適正な医療機器管理体制を構築するのに電子タグが役立つ事を実証したほか,電子タグの特性を十分に利用すれば無線LAN環境を補完し,総合的なユビキタス環境の構築にも寄与できる事を示した.
また,アクティブタグと加速度センサーの活用による転倒・転落検知が十分実用できる事を実証し,位置管理と衝撃検知の併用で安全性を向上させるシステムが実用できる事を示した.現在市販されている製品は物流分野を想定したものが多く,医療現場に最適化さらたものは少ないが,ニーズとユースケースが明確になったことで,今後の一層の発展が期待できる.
ただし,周囲環境からのノイズ等の影響はいまだあまり検証されておらず,今後の普及に際して問題となる可能性がある.本研究では,初年度から2年目にかけてPLCの影響調査を行ない,さらに本年度は最近普及してきた電球型蛍光ランプも相互干渉を念頭に置く必要がある事を明確に示し,今後も多方面からの検討が必要と結論づけた.
また,アクティブタグと加速度センサーの活用による転倒・転落検知が十分実用できる事を実証し,位置管理と衝撃検知の併用で安全性を向上させるシステムが実用できる事を示した.現在市販されている製品は物流分野を想定したものが多く,医療現場に最適化さらたものは少ないが,ニーズとユースケースが明確になったことで,今後の一層の発展が期待できる.
ただし,周囲環境からのノイズ等の影響はいまだあまり検証されておらず,今後の普及に際して問題となる可能性がある.本研究では,初年度から2年目にかけてPLCの影響調査を行ない,さらに本年度は最近普及してきた電球型蛍光ランプも相互干渉を念頭に置く必要がある事を明確に示し,今後も多方面からの検討が必要と結論づけた.
結論
当初計画した個体認証の効果,ユースケースの拡大,環境適合性のそれぞれの観点からの研究を実施し,電子タグが医療・福祉分野の安全性向上に有効な事を示し,予定の研究を終了した.
公開日・更新日
公開日
2009-04-14
更新日
-