呼吸不全に関する調査研究

文献情報

文献番号
200834039A
報告書区分
総括
研究課題名
呼吸不全に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-024
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
三嶋 理晃(京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 西村 正治(北海道大学大学院医学研究科 呼吸器内科学分野)
  • 貫和 敏博(東北大学大学院医学系研究科 呼吸器病態学分野)
  • 巽 浩一郎(千葉大学大学院医学研究院 加齢呼吸器病態制御学)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学医学部 呼吸器内科)
  • 赤柴 恒人(日本大学医学部 内科学系睡眠学分野)
  • 石坂 彰敏(慶應義塾大学医学部 呼吸器内科)
  • 長瀬 隆英(東京大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学)
  • 永井 厚志(東京女子医科大学 第一内科学講座)
  • 久保 惠嗣(信州大学医学部 内科学第一講座)
  • 谷口 博之(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー内科)
  • 伊達 洋至(京都大学大学院医学研究科 器官外科学講座 呼吸器外科学)
  • 中西 宣文(国立循環器病センター 心臓血管内科・肺循環グループ)
  • 坂谷 光則(国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター)
  • 裏出 良博(財団法人大阪バイオサイエンス研究所 分子行動生物学部門)
  • 木村 弘(奈良県立医科大学 内科学第二講座)
  • 相澤 久道(久留米大学医学部 内科学講座 呼吸器・神経・膠原病内科部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
31,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
呼吸不全を来たす難治性呼吸器疾患である7つの疾患群(若年発症肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺リンパ脈管筋腫症(LAM)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、肥満低換気症候群(OHS)および肺胞低換気症候群(PHS)を含む睡眠時無呼吸症候群、原発性肺高血圧症(PPH)、慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧型)(CTEPH))を横軸とし、疫学・病態解析・診断・原疾患治療を縦軸とする2次元的発想で、呼吸不全の予防と治療の標準化を目指す。
 
研究方法
疫学、生理学、病理学、分子生物学、遺伝子学的な多面的アプローチから臨床および基礎研究を実施した。
結果と考察
対象7疾患に対する包括的疫学調査のためにインターネットを用いた疫学調査システムを構築した。PPHおよびCTEPHに関しては、慢性肺血栓塞栓症における臨床的特徴に性差があること、内科的治療には各薬剤の薬効の相違が示唆されることが示された。若年発症肺気腫を含むCOPDに関しては、栄養状態および併存症の実態調査、発症機序について、老化や酸化ストレス、タバコ煙による影響に関する研究、病態に対しては、気道病変と肺気腫病変の相対的関与に関するコホート研究、嚥下反射低下の影響、呼吸抵抗と患者報告型アウトカムとの関連、胸壁の脂肪量と肺気腫病変との関連、気道上皮の粘液産生の検討を行った。治療に対しては、チオトロピウムの効果に関する多面的検討、シンバスタチンによる気道被覆液中サイトカインに対する効果、増悪をもたらす呼吸器ウイルス感染症に対する治療の検討、新しい呼吸リハビリテーション法に関する研究などがなされた。LCHに関しては、小児血液学会HLH/LCH委員会との合同調査として、成人領域と小児科領域を通した全領域のLCHの調査票の作成を行った。OHSおよびPHSを含む睡眠時無呼吸に関しては、閉塞型睡眠時無呼吸とメタボリックシンドロームとの関連やOSASにおける心血管イベントの発症機序に関する検討とともに、SASにおける薬物治療に関する基礎研究や動物モデルの作成に関する研究を実施した。LAMに関しては、平成18年より行った追跡調査および第2回の全国横断調査結果の解析、胸部CT画像による嚢胞性疾患との鑑別診断、血清中バイオマーカーの臨床的検討や肺外病変に関する検討を行った。
結論
呼吸不全関連7疾患の発症機序、病態、予後との関連などの一端が明らかとなり、新たな治療法への可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2009-04-13
更新日
-