新しい生活様式による生活習慣の変化とその健康影響の解明および支援方法の開発に関する研究―生活習慣病予防および健康の維持増進の観点から―

文献情報

文献番号
202109055A
報告書区分
総括
研究課題名
新しい生活様式による生活習慣の変化とその健康影響の解明および支援方法の開発に関する研究―生活習慣病予防および健康の維持増進の観点から―
課題番号
21FA2003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岡 浩一朗(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 佐々木 敏(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 佐藤 洋子(静岡社会健康医学大学院大学)
  • 中谷 英仁(静岡社会健康医学大学院大学)
  • 平井 啓(大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター/大学院医学系研究科生体機能補完医学講座/人間科学研究)
  • 藤田 卓仙(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
26,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型コロナウイルス感染症アウトブレイク後、就労形態の変化や外出制限、社会参加の減少、人との関わりの変化などにより、食事、運動等の身体活動量、睡眠など、様々な生活習慣に変化が生じている。これらの生活習慣は、生活習慣病の危険因子や予防因子となっているため、生活習慣の変化によって、疾患の発生や進行にも影響を与えることが予測される。また、生活習慣や環境の変化は、幸福感や well-being、ストレス、周囲との関係などにも影響を与えることが知られているため、新型コロナ対策による急激な生活習慣や環境の変化、その後の新しい生活様式への切り替えは、これらの心理社会的要因を通して、健康の維持・増進に関わる行動、ひいては疾患リスクや健康状態にも影響を与えることが考えられる。そこで本研究では、新しい生活様式およびそれに関連する要因として、食事、運動等の身体活動量、就労・社会活動、社会とのつながり、ストレスなどの様々な生活習慣や心理社会的要因などの実態とその変化を1万人規模の全国インターネット調査により把握し、疾患リスクや疾患発生率、重症化等の予測を行い、生活習慣病の発症や重症化予防、健康増進支援に資するエビデンスを創出することを目的とする。
また、生活習慣の変化や新しい生活様式の定着には、個人個人の新型コロナに対するリスク認識も影響を与えると考えられる。リスク認識は、患者数や感染リスクだけでなく、知識や学歴、職業といったバックグラウンド、どのような媒体から情報を得ているかによって異なることが予想される。そこで、リスク認識及びリスク認識に影響を与える要因を明らかにすることによって、緊急事態時に公的機関から健康影響に関する情報提供を行う際の方法や留意点等のヘルスコミュニケーションやリスクコミュニケーションに関するエビデンスを得ることも本研究の目的とする。
上記の目的に基づき、昨年度よりインターネット調査を開始している。今年度はその継続調査となる。
研究方法
今年度は、2020年度に調査に回答した60,516人に対し、1年後に継続調査を行い、33,052名より回答を得た。調査実施が2022年3月であったため、本年度内には、基本的な集計を行った。
結果と考察
調査結果より、コロナ前、コロナ後1年、2年で継続的に生活習慣の変化を確認したところ、疾患リスクに関係すると考えられる、体重、BMI、総エネルギー消費量、睡眠時間、歩数などについて、集団平均として、2021年度はコロナ前の水準に戻る傾向があった。それに対し、喫煙割合の低下や、飲酒なし割合の増加のように不可逆的に傾向が続く要因も見られた。
来年度は、これらの生活要因の変化を用いて疾患罹患リスクや死亡リスクの変化を推定する。さらに、個人毎の生活習慣の推移を調べることにより、特に疾患リスクが増加しているサブグループを同定し、その他の要因との関連を調べることによって、そのサブグループに対してどのような情報提供や支援の仕方があるかについて検討することとする。
結論
ネット調査により、主要な要因について、コロナ拡大後の変化を調べることができた。今後は、疾患リスクの予測、新しい生活習慣の実践状況、リスクに対する認識などとの関連を調べることによって、より様々な仮説を検討することにしたい。

公開日・更新日

公開日
2022-10-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202109055Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
34,000,000円
(2)補助金確定額
20,477,000円
差引額 [(1)-(2)]
13,523,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 63,800円
人件費・謝金 2,564,252円
旅費 0円
その他 10,003,400円
間接経費 7,846,000円
合計 20,477,452円

備考

備考
自己資金452円

公開日・更新日

公開日
2023-01-18
更新日
-