地域における一般診療科と精神科の連携によるうつ病患者/自殺ハイリスク者の発見と支援

文献情報

文献番号
200833050A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における一般診療科と精神科の連携によるうつ病患者/自殺ハイリスク者の発見と支援
課題番号
H19-こころ・若手-026
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
稲垣 正俊(国立精神・神経センター精神保健研究所 精神保健計画部)
研究分担者(所属機関)
  • 石蔵 文信(大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻医療技術科学分野機能診断科学講座)
  • 三島 和夫(国立精神・神経センター精神保健研究所 精神生理部)
  • 山田 光彦(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、我が国においてうつ病患者/自殺ハイリスク者の発見と支援を目指し、一般診療科医師によるうつ病患者/自殺ハイリスク者の同定と治療導入のためのモデルを提唱することを目的とする。その目的のために、一般市民、一般診療科医師に対する啓発、一般診療科医師に対する教育介入プログラムの作成とその評価法の確立、スクリーニング手法の確立、一般診療科医師と精神科の連携の障害要因の抽出と連携モデルの提唱を行う。
研究方法
本年度は医療従事者のうつ病に対する態度尺度(DAQ)および自殺に対する態度尺度(ATTS)の実施可能性を検討し、予備的な実態調査を行った。一般医と精神科医のうつ病治療についての認識を調査した。睡眠問題とうつ病の併存率を調査した。海外の先進的な取り組みであるEAADモデルの詳細な検討を行った。
結果と考察
DAQ、ATTSとも高い実施可能性が示された。一般医と精神科医の間でうつ病治療についての役割分担についての認識に差があることが示された。一般住民中においてうつ病の併存が疑われる不眠症の有病率は5.5%であった。EAADモデルでは、プライマリケア医に対するうつ病教育を中心として、地域全体への働きかけを行うなど複合的な対策が実施されていた。
結論
一般診療科で、うつ病患者を治療に導入し自殺ハイリスク者を支援につなげるためには多くの障害が存在し、これら障害の詳細な検討と複合的に組み合わせた対策の必要性が示された。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
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