パーキン蛋白の機能解析と治療法の開発

文献情報

文献番号
200833045A
報告書区分
総括
研究課題名
パーキン蛋白の機能解析と治療法の開発
課題番号
H19-こころ・一般-021
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
服部 信孝(順天堂大学 (医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 田中 啓二((財)東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所)
  • 高橋 良輔(京都大学大学院医学研究科・臨床神経学)
  • 澤田 誠(名古屋大学環境医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子、parkin, UCH-L1, PINK1, DJ-1, Lrrk2, ATP13A2は、タンパク分解系への関与が指摘されている。特にparkinはユビキチン・プロテアソーム系の関与が、指摘されている。今年度は、このタンパク分解系への神経変性の関与を検討した。
研究方法
カテコラミンの低下を検討すべく、real timeで解析する方法としてIn vivo voltammetryを開発した。また運動行動異常を見出すためにmotor learning systemを開発した。マウスのロタロッドに関してラット仕様のロタロッドで検討した。parkin特異的抗体を作成し、正常分布を再検討した。また基質であるパエル受容体の新規結合分子としてカテコラミントランスポーターとの結合を検討した。活性型ミクログリア認識新規化合物を開発し、parkin KO miceや6-OH-dopamineモデルで検討した。
結果と考察
In vivo voltammetryでの解析によりドパミン遊離低下及びラット用ロタロッドでの解析で運動学習能力の低下が観察された。またparkinの正常分布を確認し、ミトコンドリアの膜電位が消失するとミトコンドリア外膜に移行することを確認した。またparkinの基質であるパエル受容体がドパミントランスポーター(DAT)と結合することを見出した。[18F]FEPPAを用いてパーキンソンモデルで活性化ミクログリアの検出解析を行い、ドーパミン神経に対して毒性を持つ状態のミクログリアをイメージングできることを見いだした。
結論
Parkin KO miceで行動異常を見出した。ラット仕様のロタロッドで明らかな学習能力の低下を見出した。parkinは異常ミトコンドリアをリクルートしている可能性を見出した。parkinはDATと結合することが分かった。また活性型ミクログリア特異的結合化合物を開発し、神経変性の過程におけるミクログリアのイメージングに成功した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
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