文献情報
文献番号
202103013A
報告書区分
総括
研究課題名
ICTを基盤とした卒前卒後のシームレスな医師の臨床教育評価システム構築のための研究
課題番号
21AC1004
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
田中 雄二郎(国立大学法人東京医科歯科大学)
研究分担者(所属機関)
- 山脇 正永(東京医科歯科大学 臨床医学教育開発学分野)
- 岡田 英理子(東京医科歯科大学 臨床医学教育開発学分野)
- 那波 伸敏(東京医科歯科大学 臨床医学教育開発学分野)
- 木内 貴弘(東京大学 医学部附属病院)
- 高橋 誠(北海道大学 大学院医学研究院)
- 福井 次矢(東京医科大学茨城医療センター)
- 高橋 理(聖路加国際大学 公衆衛生大学院)
- 大出 幸子(聖路加国際大学 公衆衛生大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究（臨床研究等ＩＣＴ基盤構築・人工知能実装研究）
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
7,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
臨床実習・臨床研修をシームレスに評価できるICTの基盤構築が喫緊の課題となっている。我々はこれまでにICTを活用した卒前卒後のシームレスな評価システム(EPOC2)の開発を進め、卒後評価システムの運用を開始してきた。利用施設・研修医数は、800施設、8000名を超えており、臨床研修医の全国データがEPOC2システムに入力されている。
本研究の目的は1)臨床実習における侵襲的医行為の評価方法の確立および臨床実習から臨床研修までの手技の連続的な習得度評価を具現化する仕組みの構築、2) ICTを活用した卒前卒後のシームレスな卒後臨床教育評価システムの構築、3)評価に影響を与えうる要因の分析、4)到達目標や評価の信頼性、妥当性の分析、5)海外のシステムや教育効果との国際比較を行い、継続的な評価システムの検証と改善のための整備基盤を確立することである。
本研究の目的は1)臨床実習における侵襲的医行為の評価方法の確立および臨床実習から臨床研修までの手技の連続的な習得度評価を具現化する仕組みの構築、2) ICTを活用した卒前卒後のシームレスな卒後臨床教育評価システムの構築、3)評価に影響を与えうる要因の分析、4)到達目標や評価の信頼性、妥当性の分析、5)海外のシステムや教育効果との国際比較を行い、継続的な評価システムの検証と改善のための整備基盤を確立することである。
研究方法
2021年度はまず、臨床研修を評価するために開発されたEPOC2のデータを研究目的に2次利用するために、統計解析に使用する全体共通データセットおよび各分担研究班専用カスタムデータセットの定義書・出力フォーマットの設計を行い、データセット作成用のコンピュータプログラムを開発した。その後、データクリーニングを実施し、データクリーニングが完了次第、各分担研究班で解析を開始した。また、文献調査を行い、評価システムやそれに伴う教育効果に関する海外の事例について調査を行った。
結果と考察
<結果>
EPOC2のデータはデータ構造が複雑かつデータ量も膨大であり、全体共通データセットの出力には時間を要し、外部からWebで起動するとタイムアウトすることが予想されたため、UMIN内部からコマンドラインで実行する工夫を行うことで、本年度は、統計解析に使用する全体共通データセットおよび各分担研究班専用カスタムデータセットの定義書・出力フォーマットの設計を行い、データセット作成用のコンピュータプログラムを開発した。また、クリーニングを行ったデータによる解析の結果としては、研修修了時に到達していることが望ましいレベル(「ほぼ単独でできる」)に初めて到達するまでの月数を用いたsurvival analysisの結果、手技の難易度や経験する機会の頻度の差などにより、手技の習得までにかかる年月に差が認められた。また、評価票の項目毎のtrajectory analysisを行なった結果、評価票の項目毎に研修医の学修のtrajectoryに差が認められ、研修医の学修のプロセスに項目毎のパターンがあることがわかった。また、2020年度から使用している評価票のA～C項目の内的整合性に関して、評価項目毎に Cronbach’s alpha を用いて検討した結果、EPOC2の評価方法の内的整合性は高いことがわかった。最後に、評価システムやそれに伴う教育効果に関する海外の事例について調査するために文献調査等を行った結果、EPOC2のような全国の研修医が卒前・卒後をシームレスにつなげて評価を記録していくnational levelのe-portfolio システムは日本独自の試みであることがわかった。
<考察>
臨床研修を評価するために開発されたEPOC2のデータを研究目的に2次利用するためには、研究用にデータクリーニングする必要があったが、処理の工夫を行うことで、データクリーニングの作業の効率化を行うことができた。解析の結果、EPO2の評価方法の内的整合性は高いことがわかり、また、研修医が2年間の臨床研修の中で、学修をしていくプロセスが明らかとなった。最後に、文献調査により、EPOC2のような全国の研修医が卒前・卒後をシームレスにつなげて評価を記録していくnational levelのe-portfolio システムは日本独自の試みであることがわかった。今後この全国レベルの研修医のデータを用いて引続き検討を行っていく予定である。
EPOC2のデータはデータ構造が複雑かつデータ量も膨大であり、全体共通データセットの出力には時間を要し、外部からWebで起動するとタイムアウトすることが予想されたため、UMIN内部からコマンドラインで実行する工夫を行うことで、本年度は、統計解析に使用する全体共通データセットおよび各分担研究班専用カスタムデータセットの定義書・出力フォーマットの設計を行い、データセット作成用のコンピュータプログラムを開発した。また、クリーニングを行ったデータによる解析の結果としては、研修修了時に到達していることが望ましいレベル(「ほぼ単独でできる」)に初めて到達するまでの月数を用いたsurvival analysisの結果、手技の難易度や経験する機会の頻度の差などにより、手技の習得までにかかる年月に差が認められた。また、評価票の項目毎のtrajectory analysisを行なった結果、評価票の項目毎に研修医の学修のtrajectoryに差が認められ、研修医の学修のプロセスに項目毎のパターンがあることがわかった。また、2020年度から使用している評価票のA～C項目の内的整合性に関して、評価項目毎に Cronbach’s alpha を用いて検討した結果、EPOC2の評価方法の内的整合性は高いことがわかった。最後に、評価システムやそれに伴う教育効果に関する海外の事例について調査するために文献調査等を行った結果、EPOC2のような全国の研修医が卒前・卒後をシームレスにつなげて評価を記録していくnational levelのe-portfolio システムは日本独自の試みであることがわかった。
<考察>
臨床研修を評価するために開発されたEPOC2のデータを研究目的に2次利用するためには、研究用にデータクリーニングする必要があったが、処理の工夫を行うことで、データクリーニングの作業の効率化を行うことができた。解析の結果、EPO2の評価方法の内的整合性は高いことがわかり、また、研修医が2年間の臨床研修の中で、学修をしていくプロセスが明らかとなった。最後に、文献調査により、EPOC2のような全国の研修医が卒前・卒後をシームレスにつなげて評価を記録していくnational levelのe-portfolio システムは日本独自の試みであることがわかった。今後この全国レベルの研修医のデータを用いて引続き検討を行っていく予定である。
結論
今回、全国研修医のbig dataを研究に用いるためにクリーニングを行い、そのデータを用いて解析を行なった。今後この全国レベルの研修医のデータを用いて引続き検討を行っていく予定である。
公開日・更新日
公開日
2022-06-21
更新日
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