ジェノミクス技術を用いたウイルス性肝炎に対する新規診断・治療法の開発

文献情報

文献番号
200831015A
報告書区分
総括
研究課題名
ジェノミクス技術を用いたウイルス性肝炎に対する新規診断・治療法の開発
課題番号
H19-肝炎・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
金子 周一(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
研究分担者(所属機関)
  • 竹原 徹郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
  • 宇都 浩文(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学)
  • 前川 伸哉(山梨大学大学院医学工学総合研究部・肝疾患地域先端医療システム学講座)
  • 田中 靖人(公立大学法人名古屋市立大学大学院医学研究科臨床分子情報医学)
  • 花田 賢太郎(国立感染症研究所細胞化学部)
  • 菅 裕明(東京大学先端科学技術研究センター)
  • 堀本 勝久(産業技術総合研究所生命情報工学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
27,489,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)治療効果の正確な予測を行うための分子を用いた診断法の研究開発を目的とする。
(2)患者毎に最適の治療法を選択するための分子指標を用いた診断法の研究開発を目的とする。
(3)分子を用いた新たな治療法の研究開発につながる研究を行う。
研究方法
ウイルス性肝炎における包括的転写産物および蛋白解析、包括的脂質解析、包括的薬物検索、統計的ジェノミクス解析を実施した。解析対象は治療前後のウイルス肝炎肝組織、キメラマウス肝臓、肝細胞がん、血液、および免疫系を用いた。
結果と考察
(1)B型およびC型肝炎におけるmicro-RNA分子の解析を行った。
(2)慢性肝炎および肝細胞がんにおける発現遺伝子解析と末梢血単核球における発現遺伝子を解析した。
(3)C型肝炎におけるインターフェロン治療と免疫細胞のシグナル伝達の研究を行った。
(4)ヒト肝組織および末梢血を用いたプロテオミクスによるウイルス性肝疾患のバイオマーカーを探索した。
(5)脂質代謝系解析を用いたウイルス性肝炎に対する医療開発研究を行った。
(6)B型肝炎ウイルス感染キメラマウスおよび培養細胞系を用いたジェノミクス解析を行った。
(7)統計的因果推定法に基づくジェノミクス解析法の研究を行った。
(8)ジェノミクス技術による新規薬剤リードの探索研究を行った。
結論
(1)B型およびC型肝炎の違いを構成するRNA, micro-RNA分子から診断の候補マーカーを抽出した。
(2)末梢血を用いて、インターフェロン反応性予測、および肝がん診断が可能であることを示した。
(3)C型慢性肝炎ではNK細胞においてインターフェロン反応性が低下していることを示し、治療効果の予測マーカーを探索した。
(4)プロテオーム解析から、肝細胞がんの早期診断マーカー、肝病変の進展マーカーが見出された。ALT正常の慢性肝炎症例に有意に見出されるマーカーを明らかにした。
(5)HCV複製系を確立し、複製を阻害する薬物を解析した。
(6)HBV感染キメラマウスと線維化との関連を明らかにした。
(7)肝がんにいたるネットワーク解析から特殊な条件下で活性化される分子の特定を行った。
(8)NS3およびNS5領域を対象としたRaPID探索を行っている。

公開日・更新日

公開日
2009-04-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-11
更新日
-