HAARTの長期的副作用対策・長期予後に関する研究

文献情報

文献番号
200830024A
報告書区分
総括
研究課題名
HAARTの長期的副作用対策・長期予後に関する研究
課題番号
H19-エイズ・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田邊 嘉也(新潟大学医歯学総合病院 第二内科)
研究分担者(所属機関)
  • 竹田 徹朗(新潟大学医歯学総合病院 第二内科)
  • 安岡 彰(長崎大学附属病院感染制御教育センター・HIV感染症、感染制御、真菌症)
  • 立川 夏夫(横浜市立市民病院)
  • 岡 慎一(国立国際医療センター、エイズ治療・研究開発センター、HIV感染症)
  • 萩原 將太郎(国立国際医療センター血液内科・造血幹細胞移植)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
26,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
目的:今回の班研究では課題を1から4にわけて検討し新たなエビデンスを構築していくために活動していく。
課題1)Tenofovirを含む抗HIV療法の効果と副作用の評価
課題2)Atazanavirによる高ビリルビン血症に対するウルソデオキシコール酸の効果
課題3)ニューモシスチス肺炎治療での減量治療の検討
課題4)エイズ悪性リンパ腫の自己末梢血幹細胞移植を併用したsalvage療法の検討
なお課題1に付随する研究としてTDFによる尿細管障害のメカニズムを探るための取り組みを開始した。
研究方法
(課題1)atazanavir/ritonavirを固定し、tenofovirとabacavirとを比較することで、tenofovirの効果と副作用を検討する方法とした。TDFの尿細管障害について基礎的検討を行うため、ヒト腎臓尿細管由来培養細胞をいくつか収集し、近位尿細管特有のトランスポーターやスカベンジャー受容体の有無を検討した。
(課題2)atazanavirを1年以上継続している症例を対象に、ウルソデオキシコール酸600mg/日を3ヶ月投与し、投与前、投与中、投与後の血中総ビリルビン値および抗ウイルス療法の治療効果を観察し、本剤による総ビリルビン低下効果、有害事象発生の有無、抗ウイルス療法に対する影響の有無を検討することとした。
(課題3)Trimethoprim換算で本来のガイドライン15mg/kg/日から12mg/kg/日の段階を経て、10mg/kg/日を試みる2段階方式とすることとした。
(課題4)改良ESAP±rituximabによるsalvage療法を行い、部分寛解以上の治療効果が得られた症例で、MEAM療法を前処置とした自己末梢血幹細胞移植を行う。
結果と考察
4つのそれぞれ独立した課題をあげて研究に取り組んでおり、徐々に結果が出始めている。各課題ともに臨床試験が基本となり症例の登録をすすすめている。やや登録数が少ない状況であり今後の登録数の増加を期待して各協力施設への働きかけを強めていく必要がある。
結論
エイズ分野では、日本で初めての無作為割り付け非劣勢比較試験を開始することなどにより長期的副作用の研究として様々な結果が出始めており、今後も研究を継続していくことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2009-05-18
更新日
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