地球温暖化に伴い変化する感染症に対する早期防御法確立に関する研究

文献情報

文献番号
200829044A
報告書区分
総括
研究課題名
地球温暖化に伴い変化する感染症に対する早期防御法確立に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-015
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
倉根 一郎(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 睦生(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 滝澤 剛則(富山県衛生研究所)
  • 大前 比呂思(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所 生活活性物質部)
  • 江下 優樹(大分大学 医学部 感染分子病態制御講座)
  • 鈴木 隆二((独)相模原病院 臨床研究センター 診断・治療研究室)
  • 前田 秋彦(北海道大学大学院 獣医科学研究科)
  • 我妻 ゆき子(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
80,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては、地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術の確立とわが国のみならずアジアを含めたネットワークシステムの構築を確立することを目的とした。本年度は、1)地球温暖化を伴う気候変動が、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための技術基盤を確立する、2)地球温暖化が各種感染症に及ぼす影響をわが国及びアジア各国において予測するためのシステムを構築し、影響予測を行う、ことを目的とした。

研究方法
地球温暖化が感染症におよぼす影響については海外において断片的な報告がなされているのみである。一方、わが国においては気候変動と感染症に関する研究はほとんどなされていない。また、多くの解析は必ずしも病原体の活動を反映する最適の指標を用いていない。本研究においては、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌を含め全種類の病原体についての解析を進めた。
結果と考察
地球温暖化は人間の健康に大きな影響を継続的に及ぼすことが予想される。世界的には、特に蚊媒介性感染症や水系感染症への影響が大きく、発生地域の拡大や、流行規模・患者数増加がおこると考えられている。しかし、地球温暖化の影響は各国の社会基盤や対応策等によって大きく変わる。本研究においては、地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術を確立した。特に、地球温暖化が、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための技術基盤を確立することを中心に行った。本研究により、細菌、ウイルス、寄生虫・原虫、真菌感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。さらに、アジアにおける影響評価として、南アジアにおいて下痢症発生と降雨量との関連が明らかとなった。
結論
地球温暖化が、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための技術基盤を確立することを中心に研究を進めた。本研究により、細菌、ウイルス、寄生虫・原虫、真菌感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。また、南アジアのバングラデシュにおいて下痢症発生と降雨量との関連が明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
-