バイオリスク管理の包括的強化及び必要な教材等の開発と実践の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200829038A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオリスク管理の包括的強化及び必要な教材等の開発と実践の評価に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 和良(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 佐多 徹太郎(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第1部)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 鹿住 祐子(結核予防会 結核研究所)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウイルス第1部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
50,175,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオリスク管理の重要な因子であるリスクの認知、バイオセーフティリスクとバイオセキュリティリスクの正確な評価、的確な対策の選択を可能にし、バイオリスクを低減する包括的管理システムを確立する為には、運用者であり実施者である人材育成と関係者の教育訓練がすべてである。国内外ともに整備が不十分な人材育成と関係者の教育訓練の構築、多種多様な研究・診断・実験機関に必要な教育プログラムと評価方法についての研究を行い、3カ年でバイオリスク教育の基本的教材と教育体系の基礎の構築とそれを通じたバイオリスク管理の強化を行う。
研究方法
病原体輸送に関する情報の収集、整理、関係法規の理解促進、アンケート調査やワークショップ等を通じた正確な知識の普及、シミュレーションによる具体的事例の収集を行う。最新のWEB学習、WEBキャスト、ロールプレイ等を手法として順次効果を検証し、国際的研究協力により実用化に向けて研修プログラム開発を行う。習慣となっている手順などの科学的検証や情報収集、成果物の誌上あるいはWEB上での提供、バイオリスクの正確な評価方法を国内へ普及するための技術的検討を行い、病原体関連の効率的な管理手法の提案を行う。
結果と考察
初年度目標の基礎固めと材料の収集の多くは達成し、次年度へ継続中である。国内の病原体取扱機関のバイオリスク管理及び教育訓練の現状調査、大学、学会等でのリスクコミュニケーションの項目を加えたバイオリスク管理入門講座の実施、ニーズと知識のギャップを把握する為の質問票調査の複数回実施、英国版の専門官及び研究者講習の実施、講習効果の簡易検討、教育実習用の安全キャビネットと構造の解説に利用するキャビネット模型の作製、地方衛生研究所を対象に病原体輸送に関するワークショップ、病院関係者に対する結核菌等の輸送に関するセミナーの実施、病原体輸送シミュレーション、海外での結核菌輸送の実態調査等、具体的成果を得ている。また、管理専門官及び研究者用の講習プログラムの検討、各単元の講習資料と達成目標および評価試験の作成、関連WEB学習教材の製作、封込め施設での作業者の実地訓練プログラム、電子申請を初めとした管理の簡素化案、リスク評価ツールのCD化などが継続研究中である。
結論
当初予定通りに研究は進捗しており、教材等については予想以上の成果を得、情報等の解析の報告と成果物の提供を次年度以降に見込んでいる。次年度以降に開始する課題として、封込め施設を利用する者への訓練プログラムの作成、実験室の運営管理や排気・排水・廃棄物処理の対応策のマニュアル化等が残っている。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
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