新型インフルエンザの大流行に備えた訓練に関する研究

文献情報

文献番号
200829037A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザの大流行に備えた訓練に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
原口 義座(国立病院機構災害医療センター 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 大日康史(国立病院機構感染症研究所)
  • 山本保博(東京臨海病院)
  • 川田諭一(古河保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いつ起きてもおかしくない新型インフルエンザの大流行に備え、国民の健康被害・社会的な被害を最小限にするため我が国の健康危機管理システムの強化を目指す。適切な各種訓練を駆使することによりパンデミック時の被害のイメージを明確にし連携するべき内容を整理することにより来るべき災害に備える
研究方法
幾つかの面から研究する。海外の最先端の取り組み事例、諸外国の対策を幅広く取り入れた多要素の訓練を行う。危機管理を学ぶ上での4つの要素を取り入れる。ロールプレイングにより各省庁、自治体の模擬職員、医療施設・職員、ライフラインを含む大企業の対応や意思決定を検討し、様々な課題を抽出した上で効果的な対応策を検討する。更に具体的に住民側の面からの実動訓練から課題を抽出する。特に各省庁、自治体・医療機関・ライフライン系企業/一般企業・住民同士間の連携を重視する。国外文献として米国危機管理マニュアル、欧州、インドネシア等での対応マニュアル等を参照する
結果と考察
現在までに行った研究等の概要は以下のごとくである。(1)海外における新型インフルエンザ教育・訓練の現状調査と資料収集。(2)勉強会・机上シミュレーションとして十数回。(3)モデル作成と訓練のあり方の最終的見直しとして、適切な医療対応と感染拡大防止の2点を中心にして実動訓練を中心とした3回の比較的大規模な訓練を行った。一つは感染症指定施設での訓練とドライブスルー方式のテスト、二つ目は在宅医療での独居老人対応としての安全な搬送を含めた訓練、三つ目は多分野・広域職種間として政府・自治体と医療機関・ライフライン企業等関係機関との連携訓練で、感染拡大防止のための新企画として音声入力も含めた訓練を行い、訓練モデル作成の資料とした。これを動画および書籍として参考記録を作成。(4) 企業、住民側の視点から東京商工会議所等との共同作業により、社会的影響の軽減への道筋を立てた。
結論
訓練モデル作成の基本骨組みが作成できる段階となった。特に実訓練からデータ集積が重要で、感染症指定施設での動きからみた訓練のあり方、災害弱者として在宅患者・独居老人対象での訓練の注意点、自治体・公的機関・企業の参画による多面的・多職種対応時の連携のあり方への提言、感染拡大防止のための新しい医療機器の開発・テスト利用に関して効果が期待できる段階となった。資料を広く配布する予定である。

公開日・更新日

公開日
2010-04-20
更新日
-