ウイルス感染症の効果的制御のための病原体サーベイランスシステムの検討

文献情報

文献番号
200829028A
報告書区分
総括
研究課題名
ウイルス感染症の効果的制御のための病原体サーベイランスシステムの検討
課題番号
H19-新興・一般-013
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
清水 博之(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 小池 智(財団法人東京都医学研究機構 東京都神経科学総合研究所)
  • 帖佐 徹(九州産業衛生協会)
  • 岩井 雅恵(富山県衛生研究所)
  • 吉田 弘(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
  • 有田 峰太郎(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
  • 西村 順裕(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
  • 野田 雅博(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 駒瀬 勝啓(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
63,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ワクチン予防可能疾患のうちポリオおよび麻疹について病原体サーベイランスの質的向上を行うとともに、ポリオおよび麻疹の制御過程で得られた知見を未だサーベイランスシステムが確立していない他のウイルス感染症に応用する。より感度および精度が高いポリオサーベイランス手法の開発は世界ポリオ根絶達成のため重要である。2012年までの麻疹排除に向け、我が国の麻疹制御の進展を精度の高い病原体サーベイランスにより検証する必要がある。日常的に検出される腸管・呼吸器感染症の病原体サーベイランスシステムを構築することにより、ウイルス感染症の発生を迅速かつ感度良く検出するための研究資源の蓄積を図る。
研究方法
質の高い疾患サーベイランスと連動した精度および感度の高い病原体サーベイランスの確立を目的として、ウイルス病原体サーベイランス手法の評価・開発およびウイルス感染伝播機構に関する研究を行った。ポリオに関しては、AFPサーベイランスを補完する病原体サーベイランスについて、麻疹については、2008年に導入された麻疹症例全数報告に連動した実験室診断系について研究を行った。また、日常的に検出される腸管・呼吸器感染症の病原体サーベイランスシステム構築のための基盤的研究を行った。
結果と考察
国内外のポリオフリーを確認し、AFPサーベイランス以外の多様な病原体サーベイランスシステムの確立が重要であることを明らかにした。2008年から導入された麻疹全数報告に対応した実験室診断体制を確立するため、地方衛生研究所を中心とした麻疹・風疹レファランスセンター体制を確立・整備し、遺伝子検出法を中心とした実験室診断法の評価および標準化を行った。RSウイルス, ヒトメタニューモウイルス等、急性呼吸器ウイルス感染症に対する病原体サーベイランスの重要性を明らかにし、検査手法の評価・改良および標準的実験室検査手法の整備を行った。
結論
ポリオ、麻疹を含むウイルス感染症の病原体サーベイランスについて、技術的評価および新たな検査手法の開発を行い、感度および精度の高い病原体サーベイランス手法の研究を行った。ウイルス感染症制御に必要とされる病原体サーベイランス整備のためには、病原体の特性に合わせたサーベイランス手法の確立が重要であるため、それぞれのウイルス感染症に則した技術的改良および標準化を行った。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
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