容量結合型筋電センサを用いた操作入力装置の実証研究

文献情報

文献番号
200827030A
報告書区分
総括
研究課題名
容量結合型筋電センサを用いた操作入力装置の実証研究
課題番号
H20-障害・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
梶谷 勇(産業技術総合研究所 情報技術研究部門)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,507,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者用の支援機器が多く存在しているにもかかわらず、その障害のために機器を操作できないケースがある。このようなケースでは僅かな力で操作するスイッチなどを用いて機器を扱うが、全ての障害に対応できているわけではなく、依然として支援機器の恩恵を受けることのできない人がいる。このため、操作入力装置の選択肢を増やして様々な障害に対応することが極めて重要な課題である。そこで我々は、筋電と呼ばれる生体信号を用いた入力装置として、煩雑な皮膚の処理を必要とせず、手軽に扱うことのできる容量結合型の筋電センサと、このセンサを用いた筋電インタフェースの開発を進めている。
 この開発と並行して支援機器の操作能力を定量的に評価する方式の開発も進めている。すなわち、現場のセラピスト(作業療法士など)が経験的に操作能力を評価するしかないのが現状であるため、定量的に操作能力を評価できることによって、入力装置の選定や習熟度の経過観察、あるいはスタッフ間の情報交換において大きな恩恵があると考えられる。
研究方法
 筋電スイッチの開発は大きく分けて3つの要素(筋電センサ、スイッチ、評価ツール)に分かれており、本研究では、入力装置に用いるのに適した容量結合型筋電センサに関する研究と、筋電スイッチを含む微小動作スイッチの操作能力の評価に関する研究開発を行う。
 容量結合型筋電センサについては、電極面を絶縁する素材についての評価を中心に実施する。
操作能力の評価については、定量的な評価ツールの開発を行い、そのツールを用いて筋電スイッチや市販のスイッチを操作する能力を定量的に評価する。
結果と考察
 評価ツールを用いた操作能力の測定について、入力装置の違い、操作者の違いなどをグラフ上に表示できることが明らかになったものの、これまでに明らかになった課題として、明らかに操作者の操作ミスと考えられるケースがあり、そのようなデータの取り扱いについての検討が必要である。また、現状では6つの評価指標を別々に考察しているものの、各指標が相互に関連のあることが考えられるので、指標間の相関についても考察を進める必要がある。
結論
 2年計画の1年目である今年度は、対外発表を優先せず、筋電センサの絶縁素材に関する評価と、スイッチ操作能力を評価するツールのフリーウェアとしての公開を重点的に推進した。

公開日・更新日

公開日
2009-07-24
更新日
-