精神障害および精神障害者に関する普及啓発に関する研究

文献情報

文献番号
200827025A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害および精神障害者に関する普及啓発に関する研究
課題番号
H20-障害・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
保坂 隆(東海大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 築島 健(札幌市精神保健福祉センター)
  • 福居 顯二(京都府立医科大学大学院)
  • 岸  泰宏(日本医科大学武蔵小杉病院)
  • 天保英明(医療法人社団 ハートフル川崎病院)
  • 松島 英介(東京医科歯科大学大学院)
  • 矢倉 尚典(株式会社損保ジャパン総合研究所)
  • 天野 恵子(千葉県衛生研究所)
  • 中嶋 義文(三井記念病院)
  • 丸木一成(国際医療福祉大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は,(Ⅰ)うつ病や統合失調症等の精神疾患の理解,(Ⅱ)精神障害者の地域での受け入れの2点に関して,具体的には,①社会や地域への啓発活動,②身体疾患患者のなかの精神障害の合併率調査,③精神障害者が適切な医療に早期にアクセスできるようなシステムの構築、④地域移行の際の障壁の除去という観点からの普及啓発,⑤メディアを活用した効果的な普及啓発方法の確立,などの研究から構成されている。
研究方法
精神障害および精神障害者の普及啓発活動を試み,前後で様々な評価を試みた。講義後に感想を問う方法,講義前後で,精神疾患についての理解度をVisual Analogue Scaleで記入してもらう方法,,「こころとからだの健康についての国民意識の実態に関する調査」(平成19年9月)から使用許可をいただいたVignetteを使った方法などである。
結果と考察
まず講習会前の,統合失調症の認知度に関しては明らかな差がみられた。すなわち,養護教諭では78%と最も高く,在宅介護関係のケアマネやヘルパーや保健師では56%であり,一般企業従業員と高校生では10%程度であった。一般人を対象とした大規模な先行研究「こころとからだの健康についての国民意識の実態に関する調査」によれば,統合失調症に関しては4.8%と極端に低かったが,本研究の10%という正答率もかけ離れてはいないと思われた。
また講義の有効性について言えば,特に統合失調症の場合,受講前にほぼ10%前後だった認知度が,受講後には従業員では44%,高校生では84%であった。その学習効果という点からいえば,より早期に啓発をすることのほうが効果的であろうと思われた。一方で,うつ病に関しての普及啓発はかなり進んでいると思われた。
結論
これらの評価はあくまでも「短期的評価」である。今後は,前後1年間くらいで別の指標を用いて,より中長期的な評価をしていく必要があると思われた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-28
更新日
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