確かな適合に基づく福祉機器の供給に関する調査研究

文献情報

文献番号
200827022A
報告書区分
総括
研究課題名
確かな適合に基づく福祉機器の供給に関する調査研究
課題番号
H20-障害・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
諏訪 基(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 井上剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、障害者施策にかかわる情報を収集、整理し、厚生労働省における障害者施策の企画・立案が円滑かつ効率よく行われることに資することを目的とする。2年間の調査研究では、新たな技術により開発される福祉機器が確かな適合に基づいて利用者へ供給されることによって新技術の効果的かつ効率的な利活用を図る方策を得ることを目標とする。
研究方法
福祉機器の適合に関わる情報の収集、整理・分析を実施した。平成20年度は、福祉機器の評価やニーズの抽出手法、関連する技術動向、福祉機器の供給制度について重点をおいて調査を行った。また、福祉機器の適合体制の予備調査や適合システムの提案も行った。
結果と考察
1)福祉機器の効用の評価手法に関する調査研究
利用者の生活機能や心理面への福祉機器の効果を測定する手法は多く存在することがわかった。また、座位姿勢の客観的評価手法について実践例も含めて報告した。
2)福祉機器適合におけるニーズ抽出手法に関する調査研究
これまで数多く実施されてきたニーズ抽出結果や関連するデータベースの情報をまとめた。
3)福祉機器の適合に役立つ技術動向に関する調査研究
多様性への対応に役立つ機器適合支援技術として、大量データの処理により有用な知見を見出す「ベイジアンネットワーク」を取り上げ、機器適合への応用についてまとめて報告した。
4)福祉機器供給制度に関する調査研究
補装具費支給制度、日常生活用具給付等事業、介護保険制度、労働者災害補償保険制度における福祉機器の供給制度の概要と課題についてまとめ、報告した。
5)福祉機器適合体制に関する調査研究
2つの自治体の組織、重度障害者用意思伝達装置給付に関する判定の流れを整理するとともに、その状況下における適合体制を調査し報告した。
6)補装具制度における福祉機器適合システムの提案
全国10ヶ所程度の補装具適合拠点センターを設置し、高度な適合サービスを提供できるモデルを提案した。
結論
評価やニーズ抽出については、ある程度の手法は存在するが実際の適合場面で効果的に活用するには至っていない点が抽出された。また、これらの手法により得られる膨大な情報を、効果的に活用するための技術として、ベイジアン・ネットワーク・モデルの活用の可能性が示された。情報をキーワードとした新たな技術の活用と、全国レベルでの新たな適合体制の構築により効率的かつ効果的な福祉機器の適合が実現する可能性を示すことができた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
-