行動変容理論に基づく効率的かつ効果的な特定保健指導手法の疫学的エビデンスとITを援用した開発

文献情報

文献番号
200825056A
報告書区分
総括
研究課題名
行動変容理論に基づく効率的かつ効果的な特定保健指導手法の疫学的エビデンスとITを援用した開発
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
梶尾 裕(国立国際医療センター 糖尿病・代謝症候群診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 野田 光彦(国立国際医療センター 糖尿病・代謝症候群診療部)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター 研究所 医療情報解析研究部)
  • 熊野 宏昭(東京大学大学院医学系研究科)
  • 森田 明美(国立健康・栄養研究所)
  • 本田 佳子(女子栄養大学 栄養学部)
  • 岡崎 研太郎(京都医療センター 臨床研究センター)
  • 泉 和生(財団法人 国際協力医学研究振興財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、1)ハイリスク者に対する対面式の保健指導の限界や問題点を明らかにし、2)手法の効果や効率について医療経済や疫学の面からも検証し、3)行動療法理論やIT等の利用を考慮した効果的で効率的な指導方法を開発し、保健指導を少しでも効率的かつ効果的にが進められるために、現場の保健師などが利用可能なITを用いた補助ツールの作成を目的とする。
研究方法
初年度は、「特定健診・保健指導」の開始が大幅にずれ込み、1)について既存の介入研究を検討し、2)についてこれまでの生活習慣改善指導の費用対効果に関する評価を総括し、3)について指導の標準化手法の検討のため、糖尿病患者指導をモデルとして指導の類型化に関するアンケートを行うとともに、食事指導や運動指導の進め方および行動変容理論から見たITの保健指導の在り方について検討を加えた。
結果と考察
既存の介入研究の佐久肥満克服プログラム(SCOP)では、行動変容理論に基づく介入の効果があったが、性格は食行動の改善に関係するが体格の改善に影響しなかった。生活習慣改善指導の費用対効果についての既報を系統的にレビューして、報告間で結果に大きな違いがあり重要な変数に関してエビデンスが不十分で仮説の設定が必要であることを見いだした。糖尿病学会教育研修認定施設の医師および糖尿病療養指導士は対象者の類型化の重要性を認めていたが、標準化されていない実情が明らかになった。食事指導については問題点の改善指導と連動した支援ツールを10項目の食行動質問票として開発した。運動指導では国際標準化身体活動質問票(IPAQ)の保健指導への適応に関して検討した。行動変容理論から見たITの保健指導のための要件について検討を加えた。
結論
新規にプログラムを作成するために、既存の先行例の検討は有用であり、生活習慣改善指導法の費用対効果は従来と同様に評価できた。行動療法理論やIT等を利用する効果的で効率的な指導方法を開発するために、標準的手法を目指した類型化および食事や運動に関する具体的な目標設定やモニター法の基盤を確立し、行動変容理論から見たITの保健指導の必要事項について確立した。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-