咽喉頭がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200824073A
報告書区分
総括
研究課題名
咽喉頭がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-014
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
斉川 雅久(国立がんセンター東病院 外来部)
研究分担者(所属機関)
  • 岸本 誠司(東京医科歯科大学 頭頸部外科)
  • 川端 一嘉(癌研究会有明病院 頭頸科)
  • 西嶌 渡(埼玉県立がんセンター 頭頸部外科)
  • 藤井 隆(大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科)
  • 古川 まどか(神奈川県立がんセンター 頭頸部外科)
  • 松浦 一登(宮城県立がんセンター 耳鼻咽喉科)
  • 藤本 保志(名古屋大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科)
  • 朝蔭 孝宏(東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
  • 花井 信広(愛知県がんセンター中央病院 頭頸部外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,499,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
咽喉頭がんのリンパ節転移に対する最も一般的な治療法は機能温存に主眼をおく頸部郭清術(機能温存術)であるが、機能温存術には、その開発経緯に基づく多数の混乱が見られ、大きな施設差が存在した。これを解消するため、厚生労働科学研究費補助金前斉川班(平成14~19年度)では前向き研究を行い、術式均一化にある程度まで成功した。本研究の目的は、前研究の成果を引き継いで、機能温存術の均一化をより高度に推進することである。
研究方法
1)下咽頭がんおよび声門上がんに対する頸部郭清術の標準化に関する前向き研究、2)頸部郭清術の手術術式均一化に関する前向き研究、3)頸部郭清術に関する原発部位別、進展度別ガイドラインの作成、4)頸部リンパ節転移に関する画像診断基準の確立、5)化学放射線療法(CRT)後の頸部郭清術に関する検討、6)頸部郭清術講習会の開催、7)標準的頸部郭清術ビデオの英訳ならびに諸外国への配布、により頸部郭清術の標準化を目指す。
結果と考察
1)下咽頭がんおよび声門上がんを対象として術式均一化の更なる推進を目指す新たな前向き研究を立案し、研究計画書を全協力施設(17施設)の倫理審査委員会に提出した。全施設の承認が得られた上で、症例登録を開始する予定である。2)追跡調査を継続した。中間解析で2年全生存率を計算したところ、第2段階症例群87.2%、対照群74.9%となり、両群間に有意差が認められた(有意水準5%)。頸部郭清術手順指針(案)第3稿を作成した。3)文献検索の範囲を広げ、新たに33編の論文に関して構造化抄録の作成を行った。4)CT検査に関する画像診断基準案の検証を行い、基準案に若干の修正を加えた。超音波検査に関して、本研究班協力施設中5施設において精度調査を行った。5)CRT後に頸部郭清術を行う場合の術前診断基準や適応、術式に関して前向き研究により一定の見解を示すことを目標として、検討を開始した。6)第2回頸部郭清術講習会を開催し、若手耳鼻咽喉科医を中心とする165名の参加を得た。講演および質疑応答を通して本研究班の研究成果を詳しく伝え、参加者にはとても好評であった。7)標準的頸部郭清術ビデオの英語版を作成し、アジア地域11カ国15名の高名な頭頸部外科医に無料提供した。
結論
下咽頭がんおよび声門上がんを対象として術式均一化の更なる推進を目指す新たな前向き研究を立案し、研究計画書を作成した。頸部郭清術手順指針(案)第3稿を作成した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
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