全国のがん診療連携拠点病院において活用が可能な地域連携クリティカルパスモデルの開発

文献情報

文献番号
200824061A
報告書区分
総括
研究課題名
全国のがん診療連携拠点病院において活用が可能な地域連携クリティカルパスモデルの開発
課題番号
H20-がん臨床・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
谷水 正人(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター 統括診療部、臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 河村 進(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター 形成外科  )
  • 藤 也寸志(独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 外科  )
  • 池垣 淳一(兵庫県立がんセンター 麻酔科)
  • 奈良林 至(埼玉医科大学国際医療センター 病理)
  • 望月 泉(岩手県立中央病院 消化器外科)
  • 佐藤 靖郎(社会福祉法人恩賜財団 済生会若草病院 外科)
  • 武藤 正樹(国際医療福祉大学三田病院 外科)
  • 住友 正幸(徳島県立中央病院 呼吸器外科)
  • 梨本 篤(新潟県立がんセンター新潟病院 外科)
  • 林 昇甫(市立豊中病院 外科)
  • 田城 孝雄(順天堂大学医学部付属病院 内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
26,190,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、
 1.連携パスの全体像を概括し、代表的な治療計画を例に地域連携パスのひな型を研究開発する。
 2.連携パスを動かすために必要な仕組み、特に地域医療ネットワークの構築、医療連携室のあり方を提案する。
研究方法
 連携パスの課題を明らかにし、連携パスのひな型を提示するために以下の点について整理を試みた。
1.医療政策としてのがん地域連携クリティカルパスの位置づけ、がん診療における地域連携クリティカルパスの目的、5大がんの地域連携クリティカルパスの定義づけ、5大がんの地域連携クリティカルパスの作成指針、連携パスとして用意するもの。
 2.連携パスを動かすために必要な仕組みについて、地域医療ネットワークの構築、医療連携室の拡充、連携コーディネート機能、について考察する。
結果と考察
1.本年度(1年目)の成果としては医療機関の役割分担図、乳がん、胃がん、大腸がん、肺がんの連携パスのひな型を完成させ、公表した(http://soudan-shien.on.arena.ne.jp/hina/index.html)。
2.愛媛県医師会のアンケート調査(配布2883(開業医1106、勤務医1777)1041通(回収率36%)では約70%の医師が連携医療に協力的であり、術後のフォロー、経口抗癌剤の継続、緩和医療の領域で関心が高いことが示された。
3.全国におけるがん地域連携パスの作成ならびに運用状況を把握した。平成20年12月末現在、胃がん14パス,大腸がん15パス、乳がん15パス、肺がん7、肝がん6パス、前立腺がん3パス、膀胱がん1パス、緩和1パス、子宮がん1パスが把握できた。全国で1320名ががん地域連携パスで医療を受けていることが確認できた。
 連携パスは医療現場の必要から発生したものであり、医療提供体制の再構築について方向性は明確である。本研究班では地域連携パスモデルとパスの稼働を可能とする仕組みを提案していく。がんの連携パスが質の向上と安心・安全を確保したがん医療の推進につながることを期待したい。
結論
 がん医療の地域連携クリティカルパスに必要とされる要件を整理した。連携パスの「ひな型」等の成果物はホームページ(http://soudan-shien.on.arena.ne.jp/hina/index.html)に掲載している。

公開日・更新日

公開日
2009-04-22
更新日
-