がん領域における薬剤のエビデンスの確立を目的とした臨床研究

文献情報

文献番号
200824057A
報告書区分
総括
研究課題名
がん領域における薬剤のエビデンスの確立を目的とした臨床研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-030
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
勝俣 範之(国立がんセンター中央病院 薬物療法部・薬物療法室)
研究分担者(所属機関)
  • 波多江正紀(鹿児島市立病院 産婦人科)
  • 藤原恵一(埼玉医科大学 婦人科、婦人科腫瘍科)
  • 竹内正弘(北里大学 薬学部臨床統計部門)
  • 青木大輔(慶應義塾大学医学部 産婦人科学)
  • 八重樫伸生(東北大学大学院医学系研究科 婦人科学分野)
  • 紀川純三(鳥取大学医学部 生殖機能医学)
  • 杉山徹(岩手医科大学医学部 産婦人科)
  • 竹原和宏(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター婦人科)
  • 日浦昌道(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター婦人科)
  • 竹内聡(国立病院機構 神戸医療センター 婦人科腫瘍学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
87,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、進行上皮性卵巣癌、腹膜癌に対して、標準的化学療法(カルボプラチン/パクリタキセル)単独と比べて、化学療法+同時併用Bevacizumab、化学療法+同時併用Bevacizumabに引き続くBevacizumab単独維持投与の有用性を評価するものである。卵巣癌に対するBevacizumab投与のランダム化第三相試験としては、世界初の研究である。試験実施体制は、米国NCI傘下の公的臨床試験グループであるGOG(Gynecologic Oncology Group)のプロトコール(GOG218)へ、日本から国際共同・医師主導治験として参加し、Bevacizumab の卵巣癌に関する日米同時承認取得を目指す。
研究方法
[試験デザイン]多施設共同国際ランダム化第III相比較試験
[エンドポイント]プライマリーエンドポイント:全生存期間、セカンダリーエンドポイント:無増悪生存期間、腫瘍縮小効果、毒性、生活の質(QOL)、トランスレーショナル研究
結果と考察
平成20年度の進捗状況としては、14例の登録(平成20年12月1日現在まで)を行った(治験全体として18症例の登録)。3月3日より、施設訪問モニタリングが開始されている。これまでに国内より二例のSAE(重篤な有害事象)が報告されているが、いずれも既知の有害事象であり、効果安全性評価委員会からも治験継続に際しては問題がないと判断され、治験が継続されている。
平成20年4月15日には、米国からStudy ChairmanのR.Burger 氏、Study NurseのH. Kim-Suh氏、J. Gano氏、NCI, CTEPからM. Boron氏が来日され、JGOG-GOG investigator meetingが開催された。当日は各氏から、プロトコールの説明、CRF作成の留意点、薬剤管理の留意点などについて活発な議論がなされた。平成20年9月19日、第一回班会議が、各施設の治験責任医師、分担医師、安全性情報担当者、治験薬管理者、事務担当者、治験事務局を集めて開催された。プロトコールの進捗状況、実施上の問題点などが活発に議論された。同時に、倫理教育セミナーが、京都大学社会健康医学系専攻助教授の佐藤恵子氏を講師として開催された。
結論
進行卵巣がんに対するBevacizumabの有用性を検討するランダム化比較試験を国際共同医師主導治験として開始した。これまでに日本から15例登録(平成20年12月1日現在まで)。2例に重篤な有害事象(消化管穿孔、発熱性好中球減少)を認めた。今後も慎重に治験をすすめていく。

公開日・更新日

公開日
2009-04-22
更新日
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