再発小児固形腫瘍に対する塩酸ノギテカンとイホスファミド併用療法の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験

文献情報

文献番号
200824052A
報告書区分
総括
研究課題名
再発小児固形腫瘍に対する塩酸ノギテカンとイホスファミド併用療法の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験
課題番号
H19-がん臨床・一般-025
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
牧本 敦(国立がんセンター中央病院 第二領域外来部 小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 原 純一(大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科)
  • 小川 淳(新潟県立がんセンター新潟病院 小児科)
  • 森 鉄也(国立成育医療センター 小児腫瘍科)
  • 石田 裕二(静岡県立静岡がんセンター 小児科)
  • 麦島 秀雄(日本大学医学部 小児科学系 小児科学分野)
  • 多賀 崇(滋賀医科大学 小児科)
  • 井田 孔明(東京大学医学部附属病院 小児科)
  • 永利 義久(独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 小児科)
  • 瀧本 哲也(国立成育医療センター研究所 RI管理室)
  • 河本 博(東京都立駒込病院 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,698,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児・若年成人期の再発・増悪固形腫瘍患者に対して、トポテカン(T)とイホスファミド(I)の併用療法の用量規制毒性(dose-limiting toxicity; DLT)を同定、投与量の最大耐用量(maximum tolerated dose; MTD)を決定し、推奨用量(recommended dose; RD)での安全性と有効性について検討する。
研究方法
昨年度に完成した臨床試験実施計画書を、各参加医療機関の倫理審査委員会へ提出、承認を得た後に、当該医療機関からの登録を可能とした。各医療機関で適格な症例が発生した際に順次登録手続きを行った。データセンターにて各症例の適格性が確認された後に、実施計画書に基づいて治療を遂行し、必要なデータを症例報告書に記載し、データセンターに提出した。データセンターでは、症例登録時の適格性の確認、第1コースでの用量規制毒性(DLT)の確認を迅速に行い、タイムリーに症例登録の停止、再開を指示した。また、症例報告書記載事項のレビューを行い、必要に応じた問い合わせを行うと同時に、6ヵ月に一度、全体の進捗確認と問題点把握を兼ねた中央モニタリング作業を行った。
結果と考察
1. 国立成育医療センターを除く9医療機関で倫理審査委員会の承認が得られた。国立成育医療センターは臨床試験不参加となった。
2. 平成21年3月20日現在、6症例が登録され、第I相部分が進行中である。
3. 初期の登録例3症例のうちDLTが2症例に発生したため、現在の用量レベルは0となっている。
4. 現時点では、臨床試験の継続に影響するような重大な有害事象は出現していない。
5. 個々の症例の問題点については、各登録医療機関の研究分担者の報告書を参照。
平成21年1月時点では、登録症例が4例と進まない状況であったが、その後2例登録され、合計6症例のデータが集積されつつある。今後も積極的に症例登録を推進する事で、本試験治療の有効性と安全性評価のためのデータが蓄積される事が期待される。なお、現時点では、臨床試験の継続に影響するような重大な有害事象は出現しておらず、安全に臨床試験が実施されている。

結論
小児・若年成人の再発悪性固形腫瘍に対するセカンドライン治療の開発を目的とした多施設共同臨床試験「再発小児固形腫瘍に対する塩酸ノギテカンとイホスファミド併用療法(TI療法)の第I/II相試験」を実際に開始し、6症例を登録した。臨床試験の継続に影響するような重大な有害事象は出現していない。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
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