生活習慣や支持療法等が乳がん患者のQOLに与える影響を調べる多目的コホート研究

文献情報

文献番号
200824033A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣や支持療法等が乳がん患者のQOLに与える影響を調べる多目的コホート研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立がんセンター がん対策情報センター がん情報・統計部 がん統計解析室)
研究分担者(所属機関)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻生物統計学)
  • 安藤 正志(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 岩崎 基(国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部)
  • 下山 直人(国立がんセンター中央病院手術・緩和医療部)
  • 岩瀬 哲(東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部)
  • 岩瀬 拓士(癌研究会有明病院乳腺科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,698,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、1万人規模の乳がん患者からなる前向き大規模集団(コホート)を立ち上げ、追跡することによって様々な要因(生活習慣、痛みと支持療法、代替療法の利用、心理社会的要因等)がその後のQOLや予後(再発、死亡)に与える影響を調べることである。乳がんに関して、治療以外の要因とQOLや予後との関連を調べたエビデンスレベルの高い研究は国内外ともほとんど存在しないため、本研究により有用かつ国際的にも新しい知見が得られる。
研究方法
2007-9年に開始予定の乳がん患者を対象とする複数の大規模臨床試験の共同研究としてコホートを設定することに加え、単施設においてもコホートを設定し、全体として1万人規模の乳がん患者のコホート研究を実施する。生活習慣や支持療法等のベースラインデータを、臨床試験や診療録から得られる追跡情報との関連を検討することにより、それらの要因がその後のQOLや予後に与える影響を調べる。具体的には、3つの多施設共同臨床試験の共同研究として、3つのコホート研究「コホート研究05」、「コホート研究06」、「コホート研究07」を実施し、単施設におけるコホート研究としては、国立がんセンター中央病院において、「コホート研究NCC」を実施する。また、コホート研究に附随して、リンパ浮腫の自己診断のための自記式質問票の開発と妥当性研究も行う。
結果と考察
2年目である今年度は、昨年度より開始したコホート研究05およびコホート研究06について対象者の登録を進めており、2009年3月末日までに、それぞれ139人、49人からの質問票の回答が得られ、登録を行った。コホート研究07、コホート研究NCC、リンパ浮腫の妥当性研究については、研究デザインの開発や、研究計画書、質問票、調査実施マニュアルの作成を行った。
今後、引き続きコホート研究05とコホート研究06の質問票の配布と回収を進めるとともに、コホート研究07、コホート研究NCC、リンパ浮腫の妥当性研究を開始する。それに並行し、得られたベースラインデータを用いて、生活習慣などとその後のQOLや予後との関連を検討する予定である。
結論
本研究では、生活習慣や支持療法、代替療法などが、乳がん患者のQOLや再発、死亡などの予後に与える影響を調べることを目的に、乳がん患者の大規模コホート研究を実施している。今年度は、2つのコホート(コホート研究05、コホート研究06)の対象者登録を進めるとともに、新規コホート(コホート研究07、コホート研究NCC)およびリンパ浮腫の妥当性研究の準備を開始し、研究デザインの開発や、研究計画書等の作成を行った。

公開日・更新日

公開日
2009-04-20
更新日
-